タイトル
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かつて、城下町名古屋の暮らしを支えた「堀川」。
現在この街に住む人々は、この川にどんなイメージを持っているだろう。
やはり、「汚い」「臭い」の形容詞を当てはめる人が多いだろうか。
今、この堀川に、そして堀川を取り巻く市民の意識に、少しずつ、しかし確実に変化が起きはじめている。
諸悪の根源だったヘドロは約80%が取り除かれ、北区・黒川の水は手ですくって飲めるほどの水質を保っている。
また、毎年、多くの市民がタモやゴミ袋を手に堀川に繰り出す「堀川一斉大そうじ」も恒例になってきた。
そんな活動の先頭に立つのが、6つの団体が寄り集まってできた「クリーン堀川」(小山太郎会長)だ。
この団体の結成により、堀川浄化に向けた取組みは益々熱を帯びてきた。

「堀川を清流に!」6つの力が結束。
 長い間、汚れた川のイメージを背負わされてきた堀川。しかしその陰には、堀川沿いに暮らす人々による、堀川浄化への地道な取組みがあった。その中核を担うのが、北区の「黒川ドリーム会」、西区の「堀川とまちづくりを考える会」、中区の「広小路セントラルエリア活性化協議会」、熱田区の「堀川まつり実行委員会」、「市邨学園堀川を清流にする実行委員会」そして「全名古屋ライオンズクラブ連絡会」の6つの団体だ。それぞれが、地域の特徴や団体の独自性を生かして、堀川の清掃活動や市民を巻き込んだイベント、また情報誌発刊など、さまざまな取組みを実践してきた。ただし、それぞれの団体が直面していた共通の課題は、活動の効果に対する「限界」だった。
 転機が訪れたのは、一昨年の4月。6団体の一つ、全名古屋ライオンズクラブ連絡会が、「堀川を清流に!」をスローガンに、木曽川からの導水を求めて始めた署名活動だった。他の団体にも協力を仰ぎ、10万人の署名を目標に掲げた活動は、ふたを空けると、19万2511人、なんと目標数の約2倍の署名を集めていた。その結果が6団体に突きつけたものは、予想だにしなかった堀川に寄せる市民の関心の高さ、それに、同じ目的を持つ者が力を合わせたときに生まれる、「威力」だった。
 その後の展開は早かった。財団法人名古屋都市センター市民研究員の呼びかけで6団体の合同会議が開催され、イベントなどを通して交流を深めるなかで、6団体は、去年3月「クリーン堀川」として発足した。会の代表は、熱田区の堀川まつり実行委員会の顧問、小山太郎氏に白羽の矢が立った。

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