ボラ体験レポート編 ボラみ隊が行く!
ボラみ隊とは・・・ 『ボラみみ』に掲載された団体に足を運んでボランティア活動を体験したり、 ボランティア活動をしている人たちと交流する、「ボランティアしてみたい」 「見てみたい」という人たちの集まりです。
第2回目はボランティア体験特集。 「ボランティア経験ほとんどなし」の2人が、 パンやうどん作り体験を通じて、障害者や子どもたちと交流をしました。 力を合わせて一つの物を作る中で、気持ちの交流も生まれるようですね。
REPORT 1 ボランティアサークルのいちご
パン作りを通じて知的障害を持った青年達と交流
初めての場所にドキドキ・・・
 「のいちご」は自閉症など軽度の知的障害のある青年たちと毎月1回、毎回企画を変えながら遊ぶという活動を続けている。私が体験に行った月の企画はパン作り。ボランティア経験ほとんどなし、知的障害のある方々ともほとんど交流したことがなく、パンという食い物系魅力(?)に惹かれて参加を決めた私は、ドキドキしながら活動場所へ向かった。  ボランティアの方にあいさつをし、調理室に入って待っていると次々に学級生が集まってきた。「おはようございまーす」「久しぶりだね、どうしてたの?」「ちょっと足をけがしちゃって・・・」。何ということもない普通の会話が流れる。私のドキドキも徐々に消えていった。
話をして、作業して、一緒に楽しもう!
 ボランティアと学級生とが4、5人ずつの班になり、作り方を説明してもらった後に調理開始となった。ホットケーキミックスをベースにした生地を、茶碗を型にして作ったアルミホイル容器に入れ、ツナなどの具をトッピングしてオーブンで15分ほど焼き上げるという流れだ。あるときは世間話をしながら、あるときは「これやってね〜」などとボランティアの方が誘導しながら、パンができあがっていく。でも中には一人でどこかに行ってしまったり、ずっと独り言を言っていたりと意思疎通の少し難しい学級生もいる。そんなときでも、ボランティアの方は決して無理に作業をさせたりはせず、興味を持ったところをやってもらう、などとても自然に接していたのが印象的だった。  焼きあがったパンで昼食となった。生地がふっくらふくらみ、かなりのボリューム。ホットケーキミックスとツナの組み合わせもなかなかイケた。食べ終わって片付けも済んでしまうとゲームが始まった。出されたクイズに班ごとに答えたり、逆に班ごとにクイズを出し合ったり、しりとりをしたり、ここでも学級生の積極性に驚かされた。特に学級生の出すクイズはかなり高難度で、「こんなクイズ知ってるなんてスゴいな〜」と素直に感じた。  しばらくみんなでワイワイ盛り上がった後、おひらきとなった。ボランティアさんの「来月はボーリングだよ。楽しみにしてて」との言葉に「うん、今度も来るよ〜」と答え、みなさん元気に帰って行った。
調理開始。エプロンをして準備万端です。できあがり!ボリュームもあり、食べ応え十分でした。 調理開始。エプロンをして準備万端です。できあがり!ボリュームもあり、食べ応え十分でした。
ボランティアは特別なことじゃない
「続けてきた理由?何となくかなあ・・・」作業で同じ班になったボランティアの方に今まで続けてこられた理由を聞いたらこんな答えが返ってきた。 「きっかけは友達(今の旦那さん)に誘われて。ここに来れば色々な人に会えるし、学級生の人とも仲良くなって話ができる。 特に強い理由はないけれど楽しいから続けてます」。ほかにも何人かにお話を伺った。ボランティアを始めたきっかけはさまざまだが、みなさんに共通していたのは「みんなで仲良くなって話ができるのが楽しいから続けている」ということ。実際に参加してみてどうですか?との問いには、「自閉症の方とのコミュニケーションって、最初はもっと接し方などに悩まなければならないのかと思っていたけど、自然に接すればいいんだということがわかった」という答えが返ってきた。話している相手が自閉症だからといって特別に構えないこと、力まないこと、そして自分も楽しむということ。それが一番大事なのではないかと、私も初めての参加だったが、今回の活動を通じて強く感じた。まずは自分が心の中に作っている敷居を越えて、気軽にボランティアに関わっていけたらいいな、そんなことを考えた一日だった。
体験・文
ボラみ隊 小川明日香
普段は生物系の研究にいそしむ薬学生。 大学院になって「何か新しいことを始めたいな〜」と ボラみみの門をたたいて早6か月。 「毎回楽しく活動させていただいています」
団体紹介
ボランティアサークルのいちご  
名古屋市中川区長良町2ー18 TEL:090ー8325ー6313 担当:安藤 
 ボランティアさんによると、「みんなで1つのことをやっていると感じられるときが一番楽しい」とのこと。活動日とは別に月に一度ボランティアが集まり、打ち合わせで毎回の企画を決定。名古屋市教育委員会の委託青年学級でもあるそうだ。多い年齢層は10代〜20代。ボランティア随時募集。(2004年5月号掲載)
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