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−NPO法人愛知市民教育ネット(ASK-NET)の取り組み− 日本の教育問題が指摘されて久しい。勉強を「強制されるもの」と感じる子どもたち、無秩序で授業が成立しない「学級崩壊」にさらされている子どもたち、ただ無気力に日々を過ごす子どもたち。「ゆとり教育」や「総合学習」が進む中、子どもたちがそれぞれの夢を育めるようにと、「多様な経験、知識、個性、夢をもった人々との出会いや言葉との出会い」を提供する、市民参加型の教育づくりに取り組んでいるASK-NETを取材した。 |
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「日本の教育を変えたい」。 この思いから始まったプロジェクト 愛知市民教育ネット(ASK-NET)は、1999年にプロジェクトとして始まった。発案者は、現在もASK-NETの代表理事を務める毛受(めんじょう)芳高さんだ。「大学生の頃に教育問題に関心を持った」という毛受さんは、教育を専門に学んでいたわけではない。しかし学生時代に参加した世界青年の船での体験が、毛受さんに大きな影響を与えた。「他国からの参加者と比較し、日本人のアイデンティティのなさを実感した。目的やアイデンティティがしっかり確立していなくても生きていける雰囲気が日本の社会にはある。『国栄えて、人栄えず』といった感じで、日本の教育には何かが欠けていると感じた」と振り返る。 「日本の教育を変えたい」という志を抱いた毛受さんはその後1年半、大学を休学し「教育改革」の手がかりをつかもうとした。しかし、教員でない者が教育問題に取り組むのは難しいと思わせるほど、「学校」の世界は閉鎖的だった。 そんな中、教員、塾講師など、教育に関わる様々な道を模索する中、愛知私学の教育づくり運動の存在を知った。「高校生フェスティバル、愛知父母懇などのコミュニティが築かれており、また、教育改革へのイベントも定期的に行われていることを初めて知り、このコミュニティは、市民も参加できるより開かれた教育改革運動へと広がるのでは」と、愛知私学の取り組みに可能性を感じたという。 そして大学院を卒業した1999年、愛知県私立学校教職員組合連合の職員となるとほぼ同時にASK-NETプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトの目的は、愛知私学を中心とするこの活発な教育改革運動について、インターネットを活用して情報発信することだった。「情報公開は、市民参加の大前提」と毛受さん。この最初のASK-NETプロジェクトは、その後、読売教育賞などいくつかの賞を受け、社会的にもその可能性が認められていった。 |
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