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−水と緑を中心に、地球温暖化防止に取り組む―「雨水利用と緑化を進める会」− 今や「もったいない」という言葉は国際語。地球温暖化をはじめとする深刻な環境問題を意識し、持続可能な社会を実現させるためには、私たち一人ひとりが生活の中の「無駄」を見直していかなければなりません。NPO法人「雨水利用と緑化を進める会」は、水と緑の大切さを中心に、誰もができる環境にやさしい生活のヒントを私たちに教えてくれます。 |
動植物が教えてくれた水資源の大切さ。 「雨水利用と緑化を進める会」の設立は今から11年前。ちょうど日本が全国的に深刻な水不足に見舞われた頃だ。当時の日本ではまだ「水は無料(タダ)」という認識が強かったが、この水不足をきっかけに水資源の大切さに気づいた人も多かったのではないだろうか。 会の設立者の一人で、現在も代表を務める臼井章二さんは、「環境」に対する意識が日本の社会に芽生えるずっと前から、名古屋市西区の自宅で、いわゆる「エコ生活」を一人で実践していた。本職は環境とは全く関係のない保険業。お手本となる文献も事例もまだほとんどなかったにも関わらず、様々な装置やノウハウを独自に開発。「雨水利用」「屋上緑化」をはじめとする環境に配慮した「工夫」が、臼井さんの家にはたくさん取り入れられている。 臼井さんの環境に対する姿勢には、幼少時代の中国での生活環境が大きく影響している。「冬はマイナス30度、夏は40度、暖房も水も使えない生活の中で、子どもながらに水の大切さはよく分かっていた」という。そして雨水利用の大切さを臼井さんに教えてくれたのは、臼井さんが愛する動植物たちだった。金魚などに水道水をそのまま使うとすぐに死んでしまうことから、「それなら水を自分で作ってみよう」と、動植物のために雨水を溜める装置を作った。そしてある日、あまった雨水をトイレに使うことを思いつく。「小動物がいなかったら、自分では雨水の大切に気づかなかっただろう」と振り返る。
建物緑化推進フォーラムの様子。こうしたイベントも積極的に開催する。
そして11年前のあの水不足のとき、自分が培ってきたこのノウハウを社会に活かすときだと、近所で無料講座を行うことに。この臼井さんの取り組みにマスコミも注目。「こんなに面白い家がある」と新聞で紹介され、おかげで講座には予想をはるかに上回る800名もの参加者が集まった。
嬉しい悲鳴をあげながらも、自分の声をもっと多くの人に伝えるためには組織化が必要と考え、1994年4月、今の会の前身となる「雨水利用を進める会」を立ち上げた。
その後、2000年頃になると世界的に地球温暖化への関心が急速に高まった。都会のコンクリートの放射熱やクーラーの排熱によるヒートアイランド現象など、この問題を重く捉えた臼井さんは、「町を緑で囲おう」と緑化活動にも力を入れることを決意。会も現在の「雨水利用と緑化を進める会」へと生まれ変わった。
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