学生時代の恩師の言葉で資格取得を決意
「愛知かきつばたの会」は、ヤミ金融やサラ金などから不当な取り立てにより人権侵害を受けている人の相談窓口として活動している。多重債務で困り、入会手続きをした人を対象に、無料で相談会や勉強会などを行う。当初は司法書士・弁護士を中心に約20人が集まって始まった会だが、現在は会員数350名ほどで構成されている。
学生時代、法学部に在籍していた水谷さんは、卒業してからは、知識を生かして「いつか独立して仕事をしたい」という思いがあった。そんな時、大学時代の先生の「何か生涯を通じて役に立つ資格を持った方がいい。そして、趣味を持った方がいい」という言葉を思い出し、資格取得を決意。勤めていた事務所を退職し、勉強し直して資格を取った。初めに行政書士を、その後、司法書士の資格を取った。「思いのほか苦労しましたが、自分で仕事をしてみたい気持ちが強かったので、あきらめなかった」と話す。ちなみに、先生からのもうひとつのアドバイス、趣味についてたずねると、「囲碁が趣味です。アニメでやっているからか、また今子どもたちの間で流行ってますね」と話してくれた。
困っている人を助けるために
水谷さんたちが会を立ち上げたのは1994年7月のこと。「全国クレジット・サラ金被害者交流集会」という集会にあわせて、名古屋で同じような被害者救済団体の開設要請があったことがきっかけだった。「司法書士として多重債務者の相談を受けたことはあったけど、実際に被害に遭っている人がどの程度あるのかわからなかった。団体としてやっていけるのかもわからなかったので、ひとまず電話相談を受けてみたら、2日間で200件ほどありました。それを見てかなり深刻な問題だと確信し、正式に会を始めることになりました」と言う。
そして、あまりにも多い問題を解決するためには専門家だけでは無理と考え、一般市民を中心とする団体を作ろうということになった。相談担当者の中には、自分の多重債務を解決し、次は自分が救済する側に回って、新たに相談に来る人に対してアドバイスをするという人も増えてきた。解決のための法的な手続きは、司法書士などの専門家に頼るのではなく、自分で行わなくてはならないこともあり、多重債務に陥った人ならではの経験に基づいて、より適切なアドバイスができることも多い。1回の相談会で60組ほどの相談者が訪れる。昨年1年間に寄せられた相談は、面接相談約1,200件、電話相談約6,000件にも上るという。 |