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ボラ辞苑

過去にボラみみ誌上で連載された『ボラ辞苑』。
この辞苑は、「ボランティア」について知り、よくよく「ボランティア」とお付き合いしていくためにつくられたものである。「ひとつの言葉があなたのライフスタイルを変えてくれるかも・・・」。
第1回 ボラ(ボランティアの略語)
ボランティア活動。また、それを行う人。(一般に"ボラ"と略して使われることが多く、「大阪ボランティア協会」などは、「大ボラ協会」と略して言われているらしい。)
参考:ボランティア [Volunteer] とは!?
社会の中で、自分の意思によって進んで自らの技術や労力を無償で役立てること。一般に奉仕活動と訳されることもあるが、奉仕や慈善とは分けて考えられることも多い。
活用形:「ボラさん」
「今日はボラしに行く予定だよ〜。」
「ボラみみ」
第2回 ノーマライゼーション(ノーマリゼーション)
障害のある人もお年寄りも、家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくりのこと。
心身に障害を持つ人も、病気の人も、そうでない人も、子供からお年寄りまですべての人々が、その可能な限りで同じ社会の一員として 当たり前の日常を営んでいこうという考え方、方法である。
それまで障害を持つ人々やお年寄りを特別な存在として扱い、必ずしもその人の人間らしさを大切にしていけなかったことを反省して新しく生まれた考え方。
第3回 バリアフリー
最近「バリアフリー社会」や、「バリアフリー住宅」などというように、バリアフリーという言葉をよく耳にするようになりました。元々、バリアーとは、防御、障害物のことをいいます。特に、通行出入りの際に障害になる段差のことなどをさして使われます。
なにもないように思われるわずかな段差も、車椅子にとっては大きな障害。自力では前に進むこともできません。障害者や高齢者に配慮して、こうしたバリアを取り払う、つまりフリーにする取り組みが「バリアフリー」と言われるものです。具体的には、「車椅子で通行できる道路」や歩道の整備、また視覚障害者の安全を守る警告床材や展示案内板の設置、さらには段差の解消や手すりの設置や廊下の幅の確保などが上げられます。
また、国の取り組みとしては、2000年11月に施行された「交通バリアフリー法」があります。この法律は、鉄道の駅にエレベーターなどの設置を義務付け 、身体の不自由な人が交通機関を利用しやすくしようというものです。国を挙げてのこうした動きをきっかけとして、「ノーマライゼーション」の考え方に立った「バリアフリー社会」に向けた整備が、今後ようやく本格化していきそうな気配です。
第4回 グリーンコンシューマー
グリーン購入を行う賢い消費者のことです。略してグリコン。
Q「グリーン購入」とは?
商品・サービスを購入する際、必要性をよく考えて、価格や品質だけではなく、環境への負荷ができるだけ小さいものを優先的に購入すること。
Qノートを買うとき、次のどれを選びますか?
(1) デザインのいいもの
(2) 価格が安いもの
(3) 再生紙・古紙配合率100%のもの
『3』を選んだその行為が「グリーン購入」、そして他ならぬあなたが「グリーンコンシューマー」なのです。
Q「グリーン購入」を進めると?
あなたのライフスタイルを環境にやさしいものに変えていくばかりでなく、各企業への、環境への負荷が少ない製品開発や経営努力を促すことになります。
Q「グリーン購入」の現状は?
再生紙は、多くの企業や行政機関、県民が使うことにより種類も増え、価格も下がりました。詰め替え用の洗剤なども、みんなが購入することによりずいぶん種類が増えてきました。
第5回 フェアトレード(公正取引)
ヨーロッパのNGOが始めた新しい貿易のスタイルです。途上国において苦しい生活を送っている人たちの多くは、仕事がない、低賃金などの問題を抱えています。でもこれは彼らの努力が足りないのではなく、世の中の仕組みの問題なのです。フェアトレードとは、このような人たちに商品を作ってもらい、それを「公正な価格」で輸入・販売をすることで、彼らが経済的、社会的に自立できるためのサポートをする活動です。
Qフェアトレードの考え方とは?
国際協力というと、「かわいそうな人たちにお金や物をあげる」という発想をしてしまいがちです。でも、実はこのような考え方では、途上 国の問題は何も解決しません。上からの視点でお金や物を与える援助ではなく、現地の人たちが自分の手で問題を解決していくことを 重視し、そのためのサポート役となることを目指すフェアトレードの発想は、国際協力を考える上でとても大切です。
Qフェアトレードに参加するには?
フェアトレードで生産された商品を買えばいいのです。買う人が増えれば、商品を扱うお店も増えます。毎日飲むコーヒーをフェアトレード商品に変えてみる、そんな簡単な一歩から国際協力を始めてみませんか?
※商品を購入してみたい方!名古屋でフェアトレードを実践しているNGO団体GAIAの会のショップのHPを覗いてみてはいかが?
■GAIAの会のショップ:風"s(ふーず)
愛知県名古屋市東区上竪杉町1ウィルあいち1F
【営業時間】10:00〜19:00(日曜日は17:00)
【休業日】月曜日と祝日は休業(土日と重なる場合は営業)
【TEL】052-962-2638
【URL】http://www.huzu.jp/
第6回 循環型社会
ごみの分別収集がスタートしたことは、名古屋が誇るべきことですよね。しかし、分別よりももっと大切なことは、「ごみを作らない」こと。
Q 循環型社会とは・・・?
(1) 製品が廃棄物等となることが抑制される
(2) 循環資源となった場合はそれが適正に利用される
(3) 循環資源として利用されない場合は,適正に処分される
というように、天然資源の消費を抑制し、環境への負担を可能な限り低減する社会のことを言います。
長く繰り返し使える製品、廃棄後も再利用できる製品を生産・使用することによって新しい資源の無駄使いをなくし、ゴミを減らしていこうということです。それにより公害の防止、ゴミの減量、資源の保護、省エネルギー、環境保全などが期待されます。
ヨーロッパ諸国などでは早くから循環型社会に対しての取り組みがなされていますが、日本ではまだ歩き出したばかり。今こそ大量生産、大量消費、大量廃棄の時代からの脱却を目指す時代といえるでしょう。
ゴミの分別を始めてから、分別するときのことを考えての製品作りを、生産者に期待するようになりました。生産者と消費者相互の協力で、良循環の社会をみんなで少しづつ作り上げていきましょう。
第7回 NPO・NGO
Q NPOとは?【Non-Profit Organizationの略】
「民間非営利団体」「民間公益組織」などと訳されています。非営利(利潤追求・利益配分を行わないこと)と同時に、非政府である(政府機構の一部ではない)こと、自主的、自発的な活動を行うことなども意味されています。日本では、市民団体、ボランティア活動の推進団体、公益法人の一部などが該当しますが、導入されて間もない概念のため、実際はどこまでがNPOにあたるかなど、まだわが国では、その範囲が明確に合意されていません。
Q NGOとは?【Non-Governmental Organizationの略】
もともとは、国連と政府以外の民間団体との協力関係について定めた国連憲章第71条の中で使われている用語です。
開発、人権、環境、平和など地球規模の問題に国境を越えて取り組んでいる「非政府組織」「民間団体」のことを意味します。
日本では、1960年代に活動が始まり、70年代末のインドシナ難民の国外流出問題を契機に難民救出を目的とするNGOが数多く発足し、その後、中長期的な開発問題への取り組みや地球環境の保全、基本的人権の擁護といった課題へとその活動領域を広げています。現在、全国で約300団体以上のNGOが海外のNGOと協力関係を持ちながら活動しており、その活動が高く評価されています。
第8回 フィランスロピー (Philanthropy)
起源はギリシャ語の“Philanthropia”で、「人間愛」「博愛」の意。今日では、企業などが社会的な解決を目指して行う公益活動や、非営利活動をさして使われることが多く、「社会貢献」「社会貢献活動」「(企業)ボランティア活動」とも訳される。
企業によるフィランスロピー活動
(1) 企業が主体となって行われる「寄付、寄贈」「チャリティー・コンサート」
(2) 従業員のボランティア活動に対する「ボランティア休暇制度」「活動費援助」
(3) 「マッチング・ギフト」(従業員の寄付活動に企業が協力し、従業員の寄付金額に企業が上乗せして寄付を行うシステム)など。
また、企業内にフィランスロピー担当セクションやボランティア・センターを設置したり、支社、営業所を拠点として地域に密着した活動を行うところも増加している。
チャリティーとフィランスロピーの違い
チャリティーは英国から日本に入り「慈善」と訳され、フィランスロピーは米国から入り「社会貢献」と訳される場合が多い。チャリティーは富者が貧者に物や金を恵むという語感が強いが、フィランスロピーは同胞愛・友愛に発する行動という意味合いがある。つまり、「飢えた人に魚を与えるのがチャリティーで、魚のとり方を教え学び合うのがフィランスロピー」なのです。「共に支え合って生きる」というこの素晴らしい考え方が社会に根付いていくといいですね。
第9回 ソーシャル・アントレプナー(Social Entrepreneur)
今回は、私たちの社会の新しい担い手として注目され始めた「ソーシャル・アントレプレナー」について。日本語では「社会起業家」と訳されています。この言葉を知り、そして彼らの存在について知ることは、これからの社会を考える上でとても大切になってくるでしょう。
「社会起業家」とは・・・?
社会問題の解決を目的に、特にNPOの形態で事業を立ち上げる起業家のことです。英国・米国では既に、社会を活性化させる担い手のひとつとなっています。日本でも、ボランティア意識の高まりに伴い、最近注目を集めてきました。単なるボランティアとも、経済的利益だけを追求する起業家とも異なり、「よい社会」を目指し、地域社会の利益を生み出すために自ら立ち上がる人たち、それが「社会起業家」です。
「社会起業家」の需要・・・?
特定非営利活動法(通称NPO法)の施行に伴い、多くのNPO法人が身近で設立されるようになり、日本でもNPO自体の社会的認知が高まってきました。しかし、現代社会が抱える様々な問題は、政府・行政だけでは対応しきれないのと同時に、ボランティア活動だけでも解決しきれないのが現状です。そこで、社会問題の解決のためには「社会起業家」のようなプロの活躍が、これからますます期待されます。
「社会起業家」の活躍の分野は、医療、福祉、教育、環境、文化、国際協力など様々。「よい社会」を作りたいと常日頃考えている方、「社会起業家」を目指してみてはいかがでしょうか。大切なのは、熱意と明確なビジョン、そして学ぶ姿勢です!
第10回 ユニバーサルデザイン(Unibersal Design)
「すべての人のためのデザイン(構想、計画、設計)」
自身も身体に障害をもつロナルド・メイス氏(米)によって提唱されたユニバーサルデザイン(UD)。まちづくりやものづくりを進めるにあたり、年齢、性別、身体、国籍など、人々が持つ様々な特性や違いを初めから考慮し、できるだけすべての人に利用しやすい製品、環境を整備していこうとする考え方です。
ユニバーサルデザインの7原則
「高齢者や身体の不自由な人が使いやすいものは、すべての人にとっても使いやすい」という概念のもと、
(1) 誰にでも公平に利用できる、
(2) 使う上で柔軟性に富む、
(3) 使い方が簡単ですぐわかる、
(4) 必要な情報がすぐに理解できる、
(5) 単純なミスが危険につながらない、
(6) 身体的な負担が少ない、
(7) アクセスしやすいスペースと大きさが確保されている、
という7原則が一般に提唱されています。
バリアフリー(BF)との違い
BFは、障害者や高齢者に対して、もともとあった生活上のバリア(障壁、障害、不便)を取り除いていこうとする考え方です。それに対して、施設やものを作るときに、初めからそのバリアが生まれるのを防ごうとするUDは、BFよりさらに進んだ考え方だと言えます。
“すべての人が人生のある時点で何らかの障害をもつ”という発想を起点とするUDは、私たちに無関係なものでは決してありません。多言語表記のサイン、自動ドアや多目的トイレ、テレホンカードの切り込みやシャンプー容器のギザギザなど目に見えるものから、サービス・システムなど目に見えないものまで、UD は意外に私たちの社会に溢れています。そういう小さな思いやりを発見しながら、ソフト面(思いやりなどの心の障害の除去)でのUDも同時に育てていきましょう。
第11回 『聴導犬』ヒアリングドッグ
障害をもつ人々の自立を助ける補助犬。目の不自由な人に付き添う「盲導犬」や障害者の手足となる「介助犬」の他に、「補助犬」と呼ばれる犬がいます。今回は、日本ではまだ知名度の低い、この聴導犬について説明します。
聴導犬とは?
耳の不自由な人と生活を共にし、耳の代わりとなって生活を支える犬のことで、オレンジ色の首輪・綱が目印。特定の犬種である必要はなく、適正があれば約1〜2年の訓練を経て聴導犬となる。電話の呼び出し音や非常ベル、自動車のクラクションや名前を呼ぶ声など、日常生活の中で「音」によるサインはとても大切。聴導犬は、これらの音を聞き分け、吠えることなく誘導してくれる。
聴導犬の歴史と日本の現状
1975年、米国で個人的な思いつきから聴導犬訓練が行われ、そのアイデアが成功。これまでに約5000頭が育成された。日本では1981年から訓練が始まったが、この20年間に育成されたのは、約25頭。2003年現在、働いているのは20頭に満たないと言われている。このように、日本ではまだ知名度が低く、耳代わりとしての聴導犬の必要性が理解されていない現状があるが、2002年5月に成立した「身体障害者補助犬法」によって、これまで禁じられていた施設・建物等への出入りの制約が緩和され、聴導犬の育成にも助成制度が適用されるようになった。
障害をもつ人にとって、精神的な支えにもなる補助犬。私たちも理解を深めて、バリアフリーの社会を築いていきたいですね。
第12回 プレーパーク
プレーパークとは?
「冒険遊び場」のことで、都市化の進むヨーロッパを中心に1930年代から広がった新しい遊び場です。整備された公園よりも空き地や廃材置き場などで子どもたちがより生き生きと遊んでいるのを見た大人たちが、子どもが自分の責任で自由にのびのびと遊べる環境を作ることを目指して生まれました。日本では約 20年前に東京で始まり、現在は全国120ヵ所以上の地域にプレーパークがあります。公園の一角を借りたり、空き地を利用したりと形態は様々ですが、既成の公園の禁止事項の看板を取り除き、自然を相手に泥んこになったり、木に登ったり、火や工具を扱ったりと、子どもたちが自分の創造性を生かして冒険しながら遊ぶ場所、それがプレーパークです。
プレーリーダーとは?
禁止事項がない代わりに「自分の責任で自由に遊ぶ」という理念が掲げられているプレーパークには、遊ぶ環境を開拓し、子どもたちが遊びの楽しさを知るきっかけ作りをする「プレーリーダー」という大人がいます。プレーリーダーは遊びの指導者ではなく、子どもの遊びのアドバイザーであり、パートナーでもあります。そして、大人社会の価値観で子どもに助言を与えるのではなく、子どもたちが秘めている潜在的な「遊ぶ力」を発揮できる環境作りに努めています。
このように、「危ないから」「汚れるから」と予め危険を回避するのではなく、子どもの「遊ぶ力」を信頼し、もっとゆとりを持って子どもを見守ることが大切なのかもしれませんね。
第13回 ファシリテーション
ファシリテーション(英:facilitation)とは、直訳すると「促進すること」です。会議の場で参加者の発言や相互理解を促し、最終的に合意形成に導く技術の総称を言います。またファシリテーターは、公平な立場で議論の場に参加し、話し合いのプロセスに介入してファシリテーションを行う人を指します。単に意見を取りまとめるだけでなく、会議の日程や場所の決定、参加者の募集など、全体的なコーディネートを担う場合もあります。
近年は企業や行政、NPOやNGOがお互いに連携して経済活動や地域支援に取り組む事例が急速に増えてきました。お互いに風土の異なる組織同士が初めて手を組むので最初はなかなかうまくいきません。そこで必要となるのが中立的な立場のファシリテーターの存在です。例えばこれまで行政主導で決められていた環境基本計画などが最近住民の話し合いのもとで見直されるケースをよく見かけます。こうしたケースにも、行政と住民、あるいは住民同士の意見を調整し合意形成に導くファシリテーターが大きな役割を果たしていると言えます。
こうした中、自治体やNPOによるファシリテーター養成講座が多く開講されるようになりました。今後さらにファシリテーションの技術が必要とされる機会は増えることが予想され、ファシリテーターの活躍の場もますます増えていくことでしょう。