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人に親切に、人に優しく、人の為に生きる

自作童話の朗読会で全国を回る「おじんの童話会」

愛されたいから愛するのではなくて 愛するから愛されるのです。 価値があるから行動するのではなくて 行動するから価値があるのです。 夢があるから生きられるのではなくて 生きつづけるから夢が生まれるのです。 鬼頭隆著「愛する人へ」より

2002年10月

名古屋市北区にある「おじんとみんなの家」。
「おじん」の愛称で親しまれる、童話作家の鬼頭隆さんが自宅を開放し、悩みや夢を語り合う「たまり場」となっている。やさしい心を大切にする鬼頭さんの童話朗読会が様々な出会いと感動を生み、多くの人たちの夢を膨らませている。

会社員から童話作家へ、きっかけは息子への絵本
鬼頭さんが「童話」を書き始めたのは20年前。印刷会社の営業マンとして働いていたある日、5歳の息子のために絵本を買いに行った。それまで童話など書いたことのなかった鬼頭さんの頭に、ふとひとつの童話が浮かんだ。「かわいがっていた犬が死んで土の中で骨になってしまったけれど、その骨がお墓にタンポポを咲かせている」というもの。その話を聞いた奥さんの「書いてみたら?」の一言がすべての始まりだった。「たとえ死んでしまっても、犬はどこかで生きているんだよ」という鬼頭さんのメッセージが込められた童話を、二人の子どもは涙を流して聞いてくれたという。その後、子どもたちから次の童話を催促され、次第にその輪は近所の子どもたちにも広がっていった。「おじんの童話会」を自宅で初めて開いたときには、50人ほどの子どもたちが集まった。「仕事の営業先でも、童話が浮かぶと仕事を後回しにして書いてしまうほどになった」という鬼頭さんは、会社を辞め、「童話」という新しい世界へ飛び込んだ。
鬼頭さんの自宅へ童話を聞きに来る人が増え続ける中、名古屋市芸術創造センターのホールを借りて朗読会を行う機会を得た。そのとき口コミだけで集まった人の数は、なんと450人。写真 自作童話の朗読会最初で最後のつもりだったその公演後、「毎年やってみないか」という誘いを受け、以来、新作童話会という形で年1回、現在までに15回公演を行ってきた。スタッフの数は自然に増え、朗読の他に、三味線、和太鼓、ダンスなど、公演会の内容も多彩になった。
この年1回の公演と同時に、小中高等学校や児童福祉施設など「声が掛かればどこでもやる」という自作童話の朗読会は、年70回以上にも及ぶ。数年前からは、夫婦による朗読に、シンガーソングライターの娘、瑞希さんがピアノで伴奏をつけ、親子3人で全国各地を回っている。

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