特 集 |
鬼頭 隆さん プロフィール 1950年生まれ 名古屋市北区在住 詩人・童話作家 これまで500篇以上の童話を創作する傍ら、毎日書くという詩は数え切れない。主な著書「ぞうさんのふとん」(チャイルド本社)「みえないものがみたい」(愛知書房)「もずの心」(愛知書房)など。 |
「夢中会」で心を開く子どもたち、夢を語る子どもたち |
「おじんの童話会」の活動と同時に、鬼頭さんの回りにはもうひとつの交流が生まれた。ちょうど童話の活動を始めた20年前、毎朝ジョギングを始めた鬼頭さん父娘に、いつのまにか近所の子どもたちが合流。「夢中会」と名付けられた、その“おじん+子どもたち”は、以後10年間、毎朝休まずソフトボールをした。中には問題を抱えている子どももいて、「家庭が崩壊している子どもたちほど毎日休まず来た。そういう健気な姿を見ているうちに、僕の書く童話も、そういう子どもたちを励ますようなものになっていった」と鬼頭さんは言う。 こうして「おじんとみんなの家」は、童話を聞きに来る子どもたち、悩みを相談に来る子どもたちのたまり場になっていった。しかし「悩み相談はもともとの目的ではない。子どもたちと一緒に遊んで、童話を読み聞かせるうちに、子どもが心を開いていろんな話をしてきた延長にすぎない」。これは子どもたちが鬼頭さんを「大人」ではなく「友達」だと思っている証拠かもしれない。「子どもが何か問題を抱えているとき、その原因のほとんどは家庭の崩壊にある」と鬼頭さんは話す。「子どもには、そういう話を聴いてもらう誰かが必要だ」「大事なものは自分の子どもと他人の子ども」。こういう思いが、鬼頭さんの様々な活動の根本にある。そして子どもたちにも、「人に親切に、人に優しく、人の為に生きる。そうすれば、必ずすごい幸せがくる」と語る。その幸せがいつか子どもたちの両親にも届いて、きっと何かが変わると、鬼頭さんは信じている。 以前童話を聞きに来ていた子どもたちとの交流は、彼らが大人になった今でも絶えることはない。自信を無くしたとき、夢を持ったとき、いろいろな人がいろいろな時に‘おじん’に会いにくる。「『あいつに報告しよう』と報告する相手がいるだけで、人は変わるんです」。そう言う鬼頭さんが愛し、強く影響を受けたと語るのは宮沢賢治。今の鬼頭さんの姿は、教師としても生徒たちを賢明に愛した賢治の生き方に通ずるものがある。 ‘夢’があることの大切さも、鬼頭さんが子どもたちに語ることのひとつ。実際、鬼頭さんの回りに集まる子どもたちには夢がある。「問題を起こす子どももいるが、夢に向かって頑張っている子どもたちはもっといっぱいいる。だから何も心配いらない」と鬼頭さん。夢に向かって努力する人が与える影響力の強さを、自身が実感しているのだろう。そして鬼頭さんが子どもたちに夢を語る理由はもうひとつ。「自分が夢を叶えられなくても、僕の夢を子どもたちに語れば誰かが叶えてくれるかもしれないから」。‘吟遊おじん’の心の広さが伝わってくる言葉だった。 |
たくさんある鬼頭さんの夢。そのひとつが、できるだけ多くの公演を、日本全国で行うこと。これから書きたい童話はすでに鬼頭さんの頭の中に1000篇ある。 |
「おじんの童話会」今後の活動予定 ・北文化小劇場芸術公演「白い鹿の物語 −最後は最初−」 ※10名による童話の朗読の他、ピアノ、ダンス、三味線、胡弓、和太鼓、声楽など 2月7日(金)開場18:30〜 開演19:00〜 2月8日(土)開場13:00〜 開演13:30〜 場 所 :名古屋市北文化小劇場(北区志賀町4-60-31) 入場料 :大人(中学生以上)2000円 (当日2500円)・小人(小学生) 1000円(当日1500円) |
「おじんの童話会」と「瑞希ミニコンサート」 (10月の予定) 10月 1日 岩倉南部中学校 10月 4日 瑞穂生涯学習センター 10月 5日 大曽根中学校(手話付き) 10月 9日 金城小学校 10月15日 衣浦小学校 10月17日 東刈谷小学校 10月18日 三好ヶ丘小学校 10月22日 南生涯学習センター 10月23・26・27日 あさみどり会館 10月31日 西春栗島小学校 |
※夢中会の子どもたちとの交流が来年愛知書房より出版予定 ※宮沢賢治の弟、清六さんとの交流エピソードを含む講演の他、賢治の命日には、毎年自宅で賢治の童話の朗読会も行う。 |
詳細は「おじんの童話会」までお問い合せ下さい。 おじんの童話会 : 052-991-7690 |
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