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NPO現場見学バスツアーを企画する「地域福祉サポートちた」代表  松下 典子さん
知多地域に見る福祉ネットワーク
知多の中間支援NPO、特定非営利活動法人地域福祉サポートちた(以下「サポートちた」)が主催する「NPO現場見学バスツアー」。今回は代表の松下典子さんにお話を伺った。
        バスツアーガイド        参加者インタビュー        
松下典子さん NPO現場見学バスツアーについて教えてください。
 毎月1回、知多地域で活躍する福祉分野のNPOを巡回するツアーです。NPOの活動現場に出向き、各団体の代表の話を聞きながら活動や建物内を見学します。1団体30分程度の滞在ができるため、施設全体をゆっくり見て回ることが可能です。机上でのNPO講座ではできない、目で見て日々の活動を体感できるところが一番のポイントですね。ツアー見学先は毎回違う団体の組み合わせになるため、再度参加する方もいらっしゃいます。現在は福祉団体の方や団体を立ち上げたい人、「サポートちた」関連団体、行政の方の参加が多いです。
―バスツアーを始めようと思ったきっかけはなんですか?
 「サポートちた」では、地域福祉を担っていく人材育成に力を入れています。高齢社会がこれから一層深刻になることを考えると、現在私達が行っている地域福祉サービスを将来にわたって継続させるためには、今よりかなり多くの人に福祉分野に関わってもらう必要があります。介護は、誰もがいずれは必要となるものです。それは親の介護であったり、自ら障害が生じて人の助けが必要になることもあります。こんなに身近な問題であるにもかかわらず、介護への関心や理解は一般的に低く、不況といわれているこのご時世にあっても、ヘルパーをはじめ介護の分野で働く人の数は非常に不足しています。介護そのものはもちろん、NPOが行っている地域福祉事業についてもまだまだ世間に浸透していないという状況です。こうした事情から、従来の福祉関係者から地域福祉に関わる一般の人にいたるまで、あらゆる人に地域福祉事業を展開するNPOの実態と理解を深めてもらうことが必要だと感じたのです。
 具体的には、「ゆいの会」の代表をしている時、私達の施設を見学に訪れる人が大勢いたんですね。それで、「団体活動のことやNPOについては、人に聞いたりネットで見たりしても調べられるが、実際現場に来てみると、NPOそのものが手にとるようにわかっていい」という感想を残していかれる方が多かったんですよ。そうした声をきっかけに、私の中で色々思いつくものがありました。施設を訪れる人は結構いるのだから団体側で定期的に受け入れることはできないだろうか、知多には「ゆいの会」以外にも多くのNPOがあり1度に様々な団体の見学ができないだろうか、と。そして、それならば知多地域のNPO同士のつながりを生かしてできるんじゃないか、ってことになったんです。これがバスツアーのきっかけとなりました。
 
―バスツアーを実際始めてみてどうでしたか?
 バスツアーをやろうとした当初は賭けもありました。運転手と車さえあればなんとかなる、とにかく一度やってみようと思い、たまたま近くに人材がいたので半ば勢いで始めました。声をかけた受け入れ側のNPOも、前向きに協力してくれました。スタートは、平成14年1月。まずは内輪のNPOのメンバーに参加してもらうことから始めました。現場を見ることが最初の入り口。活動仲間にも「よそのことが見える、勉強になる」と好評でした。最初の年は1回のみの実施で終わりました。翌年度は前半・後半に分けて1回ずつ実施する予定でしたが、前半の時点で定員が一杯になってしまったんです。次の参加を希望する方も多かったので、2回目以降は毎月連続で実施するようにして、この5月で第13弾となりました。13回のツアーのなかには、参加する人数をあらかじめ把握することができないため、定員の30名が集まらず場合によっては経費すら出ない月もありました。でもね、参加したい時にすぐ参加できないと、せっかくの興味が薄れてしまう。ニーズがある限り毎月続けて人をつないでいくことが大切だと思っています。
 
―今後はどのような人に来てもらいたいですか?
 もっと一般の人の参加を増やしたいですね。NPOの現場としては地域リーダーの育成を目的ともしていますが、一般の人には「市民教育」の場として役立ててもらいたいと思います。地域には障害のある人や高齢者、いろんな人がいますし、それを知ること、自分もいつか当事者であること、人のケアの大切さを理解してほしい。
 地域の中で何かやってみたいと思う人が、このバスツアーを体験したら、きっとその人が地域でできることのヒントがつかめると思いますよ。NPOの現場をまずは知ってもらって、次に自分達の地域で「私は何ができるのか」を探してもらい、さらには地域に関わるきっかけを発見してほしいと思っています。
 
★ 次回のバスツアーの問い合わせ TEL0562ー33ー1631 FAX:0562ー33ー1743 E-mail:cfsc@npo-jp.net URL:http://www.cfsc.npo-jp.net/  ★  
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5月22日(木)9:45 出発9:55〜10:25 「ともに生きる地域社会を」の理念のもと、たすけあいをベースに活動。建物は元知多木綿の工場跡地で外観ののこぎり屋根も大きな特徴。地域の交流の場、福祉活動の拠点として有効に再生・活用されている。「さをり織り」の様子。この他ゆい工房での陶芸・絵てがみ・パソコン教室等地域の人が誰でも参加できるふれあい活動が充実。 10:45〜11:15あかり(常滑市)空港建設地のすぐ近く、海沿いにある「あかり」。ここは特に一度入ったらお家のような家庭的な雰囲気。月2回の「ふれあい弁当」の準備中。常滑市は配食サービスが充実しているため、ここはメニューや食材にこだわり、毎回かわいい献立表付き。 11:35〜13:25 ふわり ニワトリ小屋・喫茶店なちゅ(半田市)障害のある方がニワトリ・ヤギを餌やりから責任もって飼育しています。飼料から自然なものを使う徹底ぶり。その品質は自然食品店、学校、レストラン等のお墨付き。
13:40〜14:10 りんりん(半田市)一人暮らしの高齢男性が退院後、生活支援者を求めていることを知った女性達が、翌日からその方の支援を始めたのが誕生のきっかけ。現在は障害者の支援費制度にも対応。ふれあい活動をするスペース。この日はフリースクールに通う子ども達がさをり織りをしていました。 14:40〜15:40 ネットワーク大府(大府市)「自分の家で最後まで」が合言葉。室内はお風呂場やトイレ、台所を増築したり、ふたをした古井戸が廊下にあったり、様々なところに手が加えられている。 追分デイサービスセンター 「このゆびとまれ」(大府市)「家庭的な雰囲気を大切にします」が合言葉。軽い要介護の方に最適な通所介護デイサービス。今後は2階のスペースを利用して、ヘルパーサービス以外のひきこもり、登校拒否の支援活動、地域住民のサロンの場として開放予定。 バスツアーに参加&取材してみて・・・ボラみみ取材ライター 土井香菜子 全ての施設が新しく作ったものではなく、もともとある民家や古い家屋を改良したもので、周りの環境ともなじみ、家での生活そのものを移動させたような雰囲気がとてもいいと思いました。またこの地域に当たり前のようにあるNPO同士のつながりが、地域に密着したサービスを提供でき、日々変わっていく福祉サービスにも即座に対応できる要因だと思いました。どの団体もサービスを受ける人だけでなく、仕事やボランティア、ふれあい事業の部分でも地域の人が多く関わっており、相乗効果でますますいろんなことができるようになり、また人が集まり、より地域のつながりが強くなっているような気がしました。地域において何が大切かを感じ取ることができました。
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参加者インタビュー 細川さん  知多市役所職員  NPOの情報は冊子やHPで見て、ある程度は知っていたが、実際に団体を立ち上げた代表者の話を聞いてみたかった。特にふわりの戸枝さんの活動場所を確保するまでの経緯や交渉の話は興味深かった。また、実際、目にした現場は活動する人のアイデアにあふれ、熱気が感じられるすばらしいところだった。施設を利用している人のいきいきとした顔が印象的だった。 阿部さん 学生 就職活動の一環で参加しました。知多が地元ですが、このようなNPOがあることも知りませんでした。なかなかNPOの説明を聞くこともないので、とても勉強になり、地域福祉のネットワークの大切さを知りました。卒論の参考にもしたいです。 河内さん (特)SKIP副代表・KISSサイエンス 知多市の市民グループKISS・サイエンスの会員でもあり、サポートちた内の「情報ひろば」を利用している。団体の実際の活動内容を目で見たかったので参加。人に聞いたり紹介文を読んだりするだけではわかりにくいところがが一目瞭然。説明付きで普段の活動の様子もうかがえ、雰囲気もよくわかった。バスツアーでは1回にいろんな団体を回れるのがいいですね。
豆知識 知多地域のNPOって?11年程前から知多地域では住民同士が自発的に日常生活の助け合いサービスをする団体(住民互助型在宅サービス団体)の活動が活発に。同時にこのサービスのモデルケースがなかったため、各団体の代表同士で話し合いを重ね、ルール作り、料金設定、約束事、会員等すべてのしくみを作っていく。この経緯から自然に知多地域のNPOのネットワーク化が進む。また、この地域は他に比べNPO法人の数が多く、特に半田市では12のNPO法人があり、NPOの活動自体も活発  

〇次回のバスツアーは7月17日(木)
 参加費:5000円 

特定非営利活動法人 地域福祉サポートちた
知多市緑町31ー1
TEL:0562ー33ー1631 FAX:0562ー33ー1743
E-mail:cfsc@npo-jp.net
URL:http://www.cfsc.npo-jp.net/

 
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