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愛・地球博 瀬戸会場「市民パビリオン」&「海上広場」
毎日さまざまな内容満載!
市民の力が詰まった万博を体感しよう

2005年6月号特集

愛・地球博が開幕しておよそ1ヵ月がたとうとしていた4月中旬、瀬戸会場の市民パビリオンと海上(かいしょ)広場に行ってきた。長久手会場の方は、連日の人だかりがメディアの話題の中心だったが、瀬戸会場の方は、ほとんど混雑はなくゆったりとした雰囲気だった。長久手会場からはゴンドラ(無料)利用で8分。そこには、市民の力がそこかしこに詰まっていた。

市民の力があふれる瀬戸会場
 瀬戸会場は、海上の森の中にできるだけ自然を壊さない形で作られた。ぐるっとひととおり回るにも疲れない程度の、そう広くないこの場所では、大きな森の中にいることを十分に体感できる。
 ここには、瀬戸日本館・瀬戸愛知県館・市民パビリオンの3つのパビリオンと海上広場がある。そのうちの、市民パビリオンと海上広場が、市民参加のプロジェクトの基地となっている。150年以上の万博の歴史の中で、市民参加のプロジェクトを本格的に取り入れたのは、今回が初めてという。
 長久手会場から乗ってきたゴンドラを降りた場所が、市民パビリオンの屋上。2階の対話ギャラリーでは、“地球の希望”をテーマに、十数のプロジェクトの展示が行われている。展示スペースには長期展示(前半3カ月・後半3カ月や全期間など)とスポット企画があり、市民が講師となる「地球の授業」も随時開催され、来場者は誰でも参加できる。
 1階の対話劇場では、“グローバルダイアローグ”をテーマに、地球規模の対話や交流が展開されている。各国を映像でリアルタイムにつないだフォーラムやトークイベントなど、見ごたえ聴きごたえのあるものが盛りだくさんだ。
 海上広場は、市民パビリオンを出たところの屋外の広場で、“地球市民大交流祭”がテーマ。遊びながら学べるワークショップや交流イベントで、体験しながら世界のこと、地球のことを学べる。

毎日違うプログラムで新しい発見
 「市民参加」のプロジェクトは235にのぼり、個人単位のものから任意の団体、かなり大規模なNPOやNGOまで、さまざまな顔ぶれと内容になっている。これらの公募は2002年と2003年に1度ずつ行われ、何度も説明会や打ち合わせを重ねてきた。基本的には審査などは一切無く、中には条件が合わずに断念したものはあるものの、実にさまざまなジャンルに渡り、面白みとパワーにあふれる空間になっている。
 235のプロジェクトの中には、ある日は対話劇場に参加し、ある日は海上広場でワークショップなど複数参加しているものも多く、延べでは数え切れないほどの数になる。だから、会場全体では毎日違った内容になっており、来るたびに新しい発見がある。トークイベントには著名人も数多く登場するし、地元愛知県の団体や市民の活動も多いので、是非イベント情報をチェックして(下記URL参照)、ゆっくり来場してほしい。有意義な一日を過ごせるに違いない。

「市民パビリオン」&「海上広場」の様子

Information
※市民パビリオン・海上広場の詳しい内容は
URL:http://www.expo-people.jp/ をご覧ください。
※愛・地球博全体のイベントスケジュールは、下記ホームページの「イベント」のページで検索(日程・場所・ジャンルなど)できます。
URL:http://www.expo2005.or.jp/

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「市民パビリオン」

中に入ると木の香りがプーンと漂う。森林の発育のために伐り出された「間伐材」も使用されている。屋上には、長久手会場へのゴンドラ乗り場が。

市民パビリオン風景

対話ギャラリー(市民パビリオン2階)

扇形の展示スペースには、市民が考えた「地球の愛しかた」がいっぱい。また、市民が講師になる「地球の授業」も毎日開催されている。対話ギャラリー風景
漂流日記
市民展示のひとつ「漂流日記」。さまざまなテーマが書かれた2005冊のノートを世界中に漂流させ、戻ってきたものを展示。万博期間中にどれだけ戻ってくるのか楽しみだ。
対話劇場(市民パビリオン1階)
402名収容の会場はステージも座席も全て木製。毎日朝から夕方までさまざまなプログラムが開催されている。著名人のトークイベントなども多いので、ホームページ(Information参照)などで確認して出かけたい。対話劇場 イベントの様子

 
一番上の突き出た場所は、車椅子やベビーカー用のスペース。

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「海上広場」

右手の竹で作られた大きなオブジェは、ある生け花流派による「木漏れ日のプロムナード」。ほかに、これに関連したワークショップや生け花のデモンストレーションなども行った。

海上(かいしょ)広場風景
野外劇場の風景 野外劇場
5月31日まで『「とき」を祝うメモリー』としてセレモニーが行われていた。このために集まった市民グループが、当日が誕生日、結婚記念日などの人を歌や踊りで祝福。結婚式を挙げるカップルも17組あった。他にもいろいろなコンサートやパフォーマンスが行われる。
地球と握手 
海外でも活躍するアーティスト松宮喜代勝氏(写真左)と全国の1万人の市民が握った土とのコラボレーションで生まれたモニュメント「大地の呼吸」(写真右)は、海上広場でもひときわ目立つ存在。会期中は、来場者に和紙の原料(こうぞ)を握ってもらい、「地球と握手」の第2弾「森の呼吸」を松宮氏が作成する予定。自ら毎日(火・水曜休)ブースに詰めている松宮氏は、「次のモニュメントの構想はできている。5万人以上に握ってもらいたい」と言う。
松宮喜代勝氏大地の呼吸
ビルディング・ハウジング
ビルディング・ホープ

「ハビタット・フォー・ヒューマニティー・インターナショナル」は、貧困による劣悪な居住環境の廃絶を目指すNGO。
このワークショップでは、貧困住宅の実態を紹介。
ワークショップの様子
ウッディーワーク
自然の木と触れ合う ウッディワーク

4月の1週間出展。木工体験ができたり、木のおもちゃで遊ぶスペースがあったりと、子どもたちに人気のワークショップだった。
地面のモザイク
会場の地面に貼られたモザイクは市民の手作り。瀬戸にちなんで廃陶器をくだいて作られている。
地面のモザイク
地面のモザイク拡大
モザイクのプロの指導のもと、全国31カ所で1,500人が参加。他にも、瀬戸会場には市民の作品のオブジェなどが多数飾られている。
よみがえるガラ紡 ゼロエミッション
4月24日までの1カ月間行われていたワークショップ。日本独特の糸紡ぎの機械=ガラ紡は、以前はここ愛知県で盛んに使われたそうだが、今ではほとんど使われなくなった。そんなガラ紡が、現在ネパールで大活躍。実際に機械を見て使ってみることができ、たくさんの人だかりができていた。
「ガラ紡」の様子
あなたと共に『紡ぎのコミュニケーション』
閉幕までに長さ2005メートルを目標に、来場者にさをり織りを織ってもらう。障害者や高齢者の施設でもさをり織りを取り入れているところが多いように、誰にでも簡単にできるが、秘められた感性がそのまま表現され、面白く奥が深いようだ。
さをり織りに挑戦

 

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