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“おばあちゃん”のための『育児サポート講座』開催中。

〜子育て支援NPO カンガルーポケットの取り組み〜

核家族化が進む今、子育ては、若いお母さんたちに楽しい経験だけでなく、多くのストレスや葛藤、不安ももたらす。そんな子育て中のお母さんたちの一番の援助者、理解者である一方、さまざまなプレッシャーも与えてしまうのがおばあちゃんの存在。昨年活動を開始したNPO法人カンガルーポケットは、“おばあちゃん”を対象にしたユニークな育児サポート講座を開き、注目を集めている。

5回楽しめるユニークな講座

「おばあちゃんためのポケットケア講座」は、『親子の絆づくり』『責任感のある親』『子どもとあそぶ』『勇気づけ』そして『家庭の中の暴力』をテーマにした、講義あり実践ありの五回連続シリーズで、約1カ月で終了するプログラムになっている。親の自立、子の自立をサポートしながら、おばあちゃんである女性たちが自分自身の自立についても学ぼうと企画された講座だ。それぞれの内容の概要は以下の通り。
 第1回の『親子の絆つくり』は、肌に触れることから親子のコミュニケーションが始まる、という考えをもとに、乳幼児期からのスキンシップによる絆つくりを紹介する。
 第2回の『責任感ある親』は、わが子や孫のためには、なんでも自分がしてやらねばならないと信じている「いい」おばあちゃんではなく、孫の自信や自立心を育てる「責任感ある親(祖母)」について考える内容となっている。
 さらに、第3回の『子どもとあそぶ』では、おばあちゃんと孫が一緒になってできる様々な『あそび』を学べる。遊び方を知ることで、おばあちゃんの出番も増え、孫との楽しい時間が過ごせ、家族の絆を深めてもらおうというものだ。
 そして、第4回「勇気づけ」は、「孫にどう接したらいいか、どう言葉がけしていいかわからない」というおばあちゃんが多いことから、わが子や孫が、自分に自信を持って生きていく事ができるようになる『勇気づけ』の言葉や方法が提案される。
 最終回の第5回は「家庭の中の暴力」がテーマ。「これって暴力?」という気づきから、親密な男女関係の暴力など家族関係について考える内容となっている。
 いずれの回の講師もカンガルーポケットのスタッフが務め、それぞれの専門知識や子育て経験の知恵などを活用して、また全体のバランスを考え、試行錯誤しながら練り上げたプログラムとなっている。

経験に磨きをかけて、おかあさんを応援。

カンガルーポケットは、一昨年の5月に設立、昨年の8月にNPO法人となった。代表の吉田恵子さんは、栄養士やベビーシッター、精神障害者やひきこもりの子どもたちを支援するボランティアなどをしながら、3人の子どもを育ててきたお母さんでもある。自らの育児体験や心の問題を抱える人の支援活動などを通して、幼い頃の親子のコミュニケーションが子どもの成長に大きな影響をあたえると実感し、仲間の臨床心理士や助産師、幼児教育の専門家に呼びかけて会を立ち上げた。
「私の体験からも言えるんですけど、おばあちゃんは子育て中のお母さんにとって大きな存在なんです。力強い応援やアドバイスをもらう時もあれば、おばあちゃんの一言がお母さんにプレッシャーを与えたり傷つけたりすることもあります。今は、おばあちゃんが子育てしていた20年、30年前とは、子育ての環境も大きく変わってきました。だから、子育てをサポートするおばあちゃんのサポートをして、もっと孫育てを楽しんでもらいたい、お母さんを励ましてもらいたいと思ったわけです」と、吉田さんは語る。
 おばあちゃんのためのポケットケア講座は現在、基本の五回連続シリーズのほか、『孫のための沐浴』やベビーマッサージの方法を学ぶ『赤ちゃんとふれあう』といったオプションのプログラムも企画され、好評を得ている。

講座を通して、世代間の交流も。

最終回の講座の終了後、おばあちゃん世代の受講生に感想を求めると、こんな声が聞かれた。「五回の講座を通して、自分が子育てしていた頃とはずいぶん違うなあ、と反省したり、振り返ったり、大変勉強になりました。娘のサポートに役に立てられそうです。DVの精神的暴力についての話も、参考になりました。自分の夫婦関係を見つめるきっかけになりそう。もっと早く知っていれば夫に反論できたのに、って思います」。「娘が出産を控えていたんですけど、沐浴の方法を忘れてしまったので、それを教えてもらいたくて参加しました。娘は無事出産したので、今は夜になると娘のところに通って沐浴を手伝っています。『お母さん助かるわ』と、喜ばれてますよ」。
 おばあちゃんを対象にした講座だが、実際にはお母さん世代の受講生も多い。受講生だけでなく、講師の7人もお母さん世代の30代からおばあちゃん世代の60代と幅広く、講座を通して世代間のさまざまな交流が起きているという。
「現在子育て中で参加された方から、同世代と違う視点で子育てを考えるよい機会になったこと。日常の暮らしの中での小さなひと言が、その人の心に大きく影響していることを改めて感じ、自分に対しても、子どもに対しても、夫や親や姑に対しても、今までと違って接していけるようにこの講座での学びを活かしていきたい。という感想をもらえ私達も励まされています」と吉田さん。
 カンガルーポケットでは、この講座のほか、ポケット広場として、現代の子どもの食事講習会やポケットケア講座で好評だった「孫と遊ぶ」など公開広場を企画予定している。
 「家族で起きる悲しい事件を見たり聞いたりするたびに、本当に悲しくなります。幼いころからの親子のふれあいやコミュニケーションを大切にしていけば、このような事件を少しでも減らすことができるのではないかと思います。専門知識も借りながら、私たちはまずは母であるというところをベースに、これからもさまざまなプログラムも提供していきたいです」吉田さんは、最後にそう結んでくれた。
赤ちゃんのお人形でスキンシップの練習 赤ちゃんのお人形でスキンシップの練習 子どもと楽しく遊ぶ方法を学ぶ
赤ちゃんのお人形でスキンシップの練習。 子どもと楽しく遊ぶ方法を学ぶ。
家族関係を話し合う 家族関係を話し合う
家族関係を考え話し合う
孫のために沐浴の方法を復習。 孫のために沐浴の方法を復習。
孫のために沐浴の方法を復習。
カンガルーポケットのスタッフのみなさん
カンガルーポケットのスタッフのみなさん
(中央)NPO法人カンガルーポケット代表 吉田恵子さん
【おばあちゃんのためのポケットケア講座 受講生募集】
 ■ 日程は、本誌掲載当時のものです ■

4月コース、5月コースの受講生を募集しています。
お申し込みおよびお問い合わせは、下記インフォメーションまで。

○ 対象:子育てに関わる女性(おばあちゃん・おかあさん・関心のある方もどうぞ)
○ 募集人数:10名 
○ 費用:5,000円(5講座分/「赤ちゃんとふれあう」「孫のための沐浴」の2講座は別料金各1,000円が必要です。)
★4月コース:4/20(金)、4/27(金)、5/11(金)、5/18(金)、5/26(土)
★5月コース:5/28(月)、6/4(月)、6/11(月)、6/18(月)、6/23(土)
INFORMATION
特定非営利活動法人 カンガルーポケット
〒464-0855 名古屋市千種区千種通6−27−3
丸美シティマンション401
TEL:052-735-7339 
FAX:052-701-5509  
e-mail
info@k-pocket.jp
ホームページアドレス
http://www.k-pocket.jp
【会員募集】
正会員:年間費 3,000円
賛助会員:年間費 一口 1,000円以上
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