私は普段、障がい児と接する機会は多いのですが、障がいのある大人と関わることが少なかったので、大人と関わりたいと思い、ボランティア先を探しました。
その中で「ひだまりの里」という名前に魅かれ、早速電話。「三角巾とエプロン、マスクを持って来てください!」とのこと。
当日はドキドキしながら「ひだまりの里」に向かいました。
地下鉄吹上駅4番出口からまっすぐ3分ほど歩くと、ピンク色のひさしに「ランチ」の文字がひときわ目をひく喫茶店があります。
そこが「珈琲ひだまり」です。都会の真ん中にあるのに、中に入るとどこか懐かしい雰囲気が漂っていました。
「ひだまりの里」は、小さな民家の1階が喫茶店「珈琲ひだまり」、2階が作業所になっています。
そこでは10人の「仲間」と呼ばれる所員の方が働いています。喫茶店では1人の仲間が週替わりで働き、2階では他の仲間がクッキー・ケーキ作りや軽作業をしています。
10名の仲間の中には、毎日、固定で厨房に入っている方もいるそうです。私は午前に喫茶の調理のお手伝い、午後は仲間たちと一緒に作業をさせていただきました。
午前中の調理のお手伝い。小さな厨房の中で野菜を切ったり魚を焼いたり、パートの方が1つ1つ丁寧に教えてくださいました。慣れない手つきの私に「ゆっくりでいいからね」と声をかけてくださいます。
「花嫁修業になるよ!」という言葉の通り、出来あいのものは一切なし!材料を一から調理し、次々とおいしい料理が出来上がりました。料理を折詰に詰め、ほっと一息。お弁当は1人暮らしのお年寄りの家や
近所の美容室に配達されているそうです。喫茶店で日替わり定食としても出されており、注文が入るととても嬉しく思いました。お昼ごはんは2階で仲間たちと一緒にいただきました。もちろんお昼ごはんもひだまりで作った料理。
全ての料理がおいしく、ぺろりと平らげました。
午後はクッキー作りとその袋詰め作業。クッキー作りは、細かい作業が苦手な仲間のお手伝いをしたり、作業が丁寧な仲間に教えてもらったりしながら1つ1つ丁寧に形を作りました。そしてクッキーが焼けるいい香りの中での袋詰め作業。
思わず手を出しそうになりながら、1つ1つ「ひだまりの里」の看板を背負ったクッキーを丁寧に包みました。
ひだまりで何より印象的だったのは、アットホームな雰囲気の中での仲間たちの生き生きとした表情でした。「明るく楽しく過ごせるように」ということを大切にされているとのこと。たまたま私が伺った日はお給料日だったのですが、 ある仲間は「本買う!」とその日一番の笑顔!障がいのある人にもきちんとお給料を渡したいという思いで、6年前に始められたというひだまり。これからも発展していく予定だそうです。職員やパートの方、仲間たちに温かく迎えていただき、本当にひだまりの中にいるような 温かい楽しい時間を過ごさせていただきました。
●団体紹介
共同作業所 ひだまりの里
名古屋市昭和区阿由知通2-4
TEL/FAX 052-732-1050
10名の知的障がい者が働いている施設です。1階は喫茶・お弁当の宅配・配食サービス、2階はクッキー・ケーキ作り、軽作業を行っています。
手作りのお弁当・クッキーは絶品!
●体験・文
ボラみ隊 濱口 真由美
現場体験型研修でボラみみより情報局でインターンをした県職員。普段は発達に心配のある子どもやそのお母さんと関わる仕事をしています。