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月刊「ボラみみ」2010年 8月号 特集
  ●学生自身の想いから始まった環境への取り組み ―エコネクスなごや―
  ●地域通貨で農山村活動を支援し、あたたかいネットワークづくりをめざす ―物々交換局―

『エコネクスなごや』


学生自身の想いから始まった環境への取り組み

環境問題に関心のある名古屋市近辺の学生有志が、「なごやを動かそまい!」を合言葉に集まった、「エコネクスなごや」。活動が始まった経緯や課題、そして今後取り組んでみたいことなどをうかがった。

■ きっかけは「不都合な真実」から

 2007年なごや環境大学のある講座で、アル・ゴア氏(元アメリカ副大統領)主演の映画「不都合な真実」を上映する機会があった。環境問題がテーマのこの映画を見て、問題意識を持った学生が集まり、エコネクスなごやの活動が始まったという。

■ おしゃれに、そして社会を動かしたい

 それぞれのメンバーが取り組みたいことを話し合った結果、「おしゃれにエコを楽しむ」という想いのキャンドルグループと、「ごみを減らして、社会に活動実績を残したい」という想いのリユースグループが活動の柱になった。
 キャンドルグループは、主にイベントの会場で、廃食油からキャンドルを作る活動をしている。作ったキャンドルを家庭に持ち帰ってもらい、環境やライフスタイルについてゆっくり語り合う時間を持ってもらうのが狙いだ。「手軽に楽しめるので、いつも人気です」と、キャンドルグループのメンバーは言う。
 一方のリユースグループは、企業との協働の取り組みが高く評価された実績がある。リユースグループの働きかけで、ある映画館がリユース容器の導入実験に協力してくれた。2008年の「全国大学生環境活動コンテスト」(エココン)では、その活動が最優秀の環境大臣賞に選ばれたのだ。さらに2009年にモリコロパークで開催されたファンドレイジングイベント「愛フェス」の際にも、リユース食器の導入を実現した。

■ 想いを地に足つけて

 多くの人の想いをまとめて具体化するのは大変な作業。NPOとの協働、植林、商店街との連携など、やってみたいことはたくさんあるが、活動に結びつけていくことの難しさも感じるという。そんな課題を抱えながらも、メンバーの坂倉さんは「自分たちの活動がどのように社会に影響を与えたのか、今後はそういった評価の視点を取り入れながら活動したい」と力強く話してくれた。

イベントの写真です。
竹を使ってキャンドルの容器に。みんな好きな色に塗って自分のオリジナルキャンドルをつくっています。
メンバーの写真です。
社会を動かす面白さを感じてみませんか?素敵な仲間たちが待っています!
リユースの写真です。
最近はいろいろなイベントでごみ減量の取り組みを見かけるようになりました。

■ 団体紹介

エコネクスなごや
なごや環境大学事務局内
TEL:052-223-1223
E-mail:info@econex.n-kd.jp
URL:http://econex.n-kd.jp/
エコネクスなごやは、環境に関心のあるメンバーを募集しています。毎週水曜日18:00から、約10名のメンバーが伏見ライフプラザ13階の環境学習センター「エコパルなごや」でミーティングを行っています。興味のある方はぜひ訪ねてみて下さい。

『物々交換局』


地域通貨で農山村活動を支援し、あたたかいネットワークづくりをめざす

■ 『田んぼの草取りを手伝いませんか』『田植えのボランティアをしませんか』

 こんな呼びかけにこたえて、農作業などのボランティアに参加するともらえる地域通貨があります。 発行するのは、農山村活動を支援する共同事業組合『物々交換局』。 「日本の農業は危機的状況。日本の文化でもある米づくりを守るために、 持続可能な農法で米づくりに励むお百姓さんを応援したい」と意気込む代表の吉田大さん。 2010年春、“世界初”玄米と交換できる地域通貨の取り組みをスタートさせました。


 地域通貨は、使用できる場所が限定されているお金です。物々交換局が発行する地域通貨は、その名も「おむすび通貨」。通貨の単位は“むすび”といい、1むすびで、無農薬有機栽培・天日乾燥の玄米0.5合(おにぎり1個分)と交換できます。玄米と交換できるだけでなく、飲食店や雑貨屋など名古屋市、豊田市などの40店舗以上ある協力店で代金を支払う際にも利用できます。例えば、マッサージ店では1むすびで500円引きになったり、30分のピアノ体験レッスンが10むすびで受けられたり、カフェでコーヒーを飲むこともできます。
 物々交換局では、契約する農家から、無農薬有機栽培・天日乾燥の玄米60kg(1俵)を48,000円相当(3万円+おむすび通貨1万8千円相当)を目安として買い取ります。この契約農家に渡されるおむすび通貨が、農作業ボランティアで手に入れることができるのです。
 おむすび通貨を欲しい人は、おむすび通貨をもらえるボランティアやイベントに参加します。おむすび通貨を持った人は、使えるお店やサービスを提供する人に会いに出かけます。
 「おむすび通貨は、人から人へと流通する、人と人の開かれたネットワークをつなぐ媒体です。実体のない経済に支配された冷たい社会から生命世界と結ばれたあたたかい社会をつくりたい。お百姓さんたちにもあたたかい経済の環の中に入ってほしい」と吉田さん。これまでに発行されている約6000むすびのおむすび通貨の有効期間は2010年10月31日まで。関連イベントも企画中です。10月8日から11日には、おむすび通貨を稼いで暮らせる野外イベントとして、アースキャンプが豊田スタジアム前で開催される予定です。
おむすび通貨の流れの図
おむすび通貨の流れの図
アースデー愛知2010
5月のゴールデンウィークに開催したイベント「アースデー愛知2010」で、おむすびマンになって地域通貨をPRする吉田さん。 ボランティアや出演ミュージシャン、売店にリユース食器を返却した来場者などにもおむすび通貨を配布した。

■ 団体紹介

物々交換局

URL:http://greens-net.com/butubutu/
★ボランティア募集
協力農家の農作業の手伝いや自然環境の再生に役立つ仕事に参加できるボランティアを募集しています。 詳しくはHP(http://greens-net.com/butubutu/)のおむすび仕事ニュースをご覧ください。登録すると、最新の情報を配信してくれます。