今回紹介するのは名古屋YWCA。YWCAは「Young Women's Christian Association」の
略称で、日本語では「キリスト教女子青年会」という。公益法人として運営され、現在、「語学・教育」「女性のための相談・支援」「ボランティア」「日本語学校」「日本語教育セミナー」の5つの事業に取り組んでいる。
今回の取材に応じてくださったのは、ボランティア事業部の運営委員会会長の三宅ゆかりさんと副会長の宮治陽子さんだ。
YWCAは、今でもキリスト教の精神を基軸において、「イエス・キリストに学び、ともにいきる世界の人々と人権・平和・環境問題に取り組む」ことを理念としている。
今年度の活動目標は、「憲法第9条を固く守り、平和運動を進める」ことと、「すべての差別に反対し、女性・子どもへの暴力をなくす」ことだ。
現在、名古屋YWCAでは約250名の会員の在籍があり、青少年、女性、国際、福祉、生涯教育の5つの分野で、国内外で社会貢献をしようと、皆さん高い意識で活躍している。
ボランティア事業部の特徴は、すべての活動が会員によって立ち上げられたことだ。
例えば、福祉の分野では、視覚障碍者のための美術ガイド、音声訳、電話サービスといった支援を積極的に行っている。
また、女性のためのカウンセリング事業も行っており、夫婦、親子の問題、DVなどの悩みを抱えている女性は有料で相談にのってもらうことができる。
この事業は公益事業として高い評価を受けている。
このような地域への貢献だけでなく、海外との交流にも力を入れている。
中国の天津YWCAとは密接な関係があり、2〜3年に一度お互いの国を訪問し合っている。
そして毎年、日本と韓国のYWCAが共同開催するユースカンファレンスにも若者の会員を送り出している。
YWCAが最も重視している活動のひとつが平和推進のための活動だ。市民レベルで自分たちがやらないと、国は動かない。そういう思いを胸に、この4月にはアジア太平洋戦争に対する謝罪と未来に向けての決意表明文を発表した。そして、沖縄にある基地問題を何とかしたいという熱い思いを抱き、研究と平和推進を目的に頻繁に沖縄を訪問しているボランティアもいる。このように、海外に向けた活動、他団体との連携を大切にしながら、名古屋YWCAは社会正義の実現に向けて努力している。
〜Information〜
財団法人 名古屋キリスト教女子青年会
(名古屋YWCA)
〒460-0004 名古屋市中区新栄町2-3
TEL:052-961-7707
http://www.nagoya-ywca.or.jp/
アクセス : 栄駅5番出口より徒歩2分
●取材・文
ワング・ベン