沈丁花の甘い香りに春の訪れを感じる3月中旬、名古屋市北区「オリーブ」にお邪魔しました。
ここでは、障がいを抱える人も地域に根ざした生活を、と様々なサポートに取り組んでいます。
集合団地1階に「オリーブ」はあります。現在ここで働くスタッフは6名。月〜金曜日の10〜15時まで
利用者さん23名が内職やクッキーづくり等、自分にできる仕事をスタッフと一緒にこなしています。
私が訪れた日は週に1度の朝市が行われる火曜日でした!
朝、農家から仕入れてきた無農薬有機野菜を事業所の前に並べて、店番として利用者さんが座ります。
お客さんが来ると利用者さんはとびっきりの笑顔! 集合団地にあるということで団地住民の方がよく野菜を買ってくれるそうです。
朝市を通して、障がいを抱えた人たちと接触のない人たちにも事業所を見てもらい、交流の場になってほしいという想いも込められています。
利用者さんは、時折スタッフと歌を歌いながら終始楽しそうに店番をしていたのが印象的でした。
他の仕事も見せていただくと、事業所の中で手のひらサイズの四角い木材にやすりをかけていました。
聞くと、「積み木」の試作品。ざらざらの木材が利用者さんの手によって、すべすべのころんと可愛い積み木に!
やすりをかける前と後の手触りの違いに感動してしまいました。
また、コイルにマジックで丁寧に一つ一つ印をつけていく細かい仕事をしている利用者さんも。
隣では、クッキーづくりの真っ最中!
生地を混ぜたり、ごまクッキーのごまをすったり。
完成したものは、「世界で一つだけのクッキー」として1袋100円で販売されます。
朝市はもちろん、お祭り等でも販売し、注文も受けつけています。
「なるべく社会との関わりをもって自立してほしい」と代表の山口さん。
利用者さんの生活のリズムをつくり、社会の一部であるということをスタッフがともに意識して、最終的には利用者さんの自立を目指しています。
障がいを抱えているからこそ、家族に何かあった時に困らないように。事業所での毎日の「仕事」もそのためのもの。
「会社のように仕事をこなす場を提供したい」と、毎月、「仕事」で得た利益は利用者さんに還元しています。
また、他事業所との連携を図ったり、様々な情報を提供したりすることも大切なサポートの1つ。
4月からは看護師もスタッフに加わり、より重度の障がいを抱える方の受け入れも可能となりました。
私自身は、障がい者の方が「自立」するという発想自体がなく、山口さんの言葉には目を開かされた思いでした。
今回、残念ながら私は参加できなかったのですが、毎週水曜日に「オリーブ」では利用者さんの運動不足を解消するためウォーキングやダンスを行っています。 その際、一緒に歩いたり、少しお手伝いしたりするボランティアを募集中です。 普段接することのない人たちと触れ合うことが利用者さんの刺激になり、喜びに繋がると教えてくださいました。 ボランティアが楽しんで活動してくれることを期待して、募集をしているそうです。楽しく活動してみませんか?
特定非営利活動法人ポパイ 生活介護事業所オリーブ
名古屋市北区中丸町1−1中丸団地 第3棟103号
TEL:052−913−2250 FAX:052−938−5898
E-mail:popai66ren@yahoo.co.jp
URL:http://popai66ren.takara-bune.net/
毎週水曜日、障がいを抱えた利用者さんと楽しく活動するボランティアを募集中!
笑顔が素敵なみなさんと是非交流してみてください!
(2010年6月掲載)
ボラみ隊 豊田 佳菜子
普段は生花店に勤めています。読書と旅行が大好き!ボラみみに関わってまだ日が浅いですが、いろいろな方からたくさんのことを学びたいと思っています。
2010年3月13日(土)の朝8時50分、岐阜市内に「岐阜遊び塾」のスタッフと子どもたちが集合していました。
今回のテーマは「電車の旅〜青春18きっぷでどこ行こう?」。行き先は、子どもたちにはまだ秘密です。
今回、私もスタッフとして同行させていただき、さっそく出発!
JR東海道本線の西岐阜駅から米原駅へ、そこからさらに琵琶湖線に乗り換えます。
11時43分にみんなが降りたのは、なんと大阪駅!ずいぶん遠くまで来ました。
ここで、3班に分かれ、各班ごとに青春18きっぷで行ける範囲での散策場所を話し合って決めました。
私が同行した1班はまず、大阪市内にある地上40階建ての梅田スカイビルへ行きました。
このビルの真下で、持参したお弁当を皆で食べました。
その後、大阪駅まで戻り、JR神戸線で神戸駅まで行ったものの、なんと散策をする時間があまりない!?
そのため、子どもたちは残った時間でお土産を買い、大阪駅へとんぼ帰りとなりました。
他の班と合流し、15時には大阪駅を出発、在来線で西岐阜駅まで帰りました。
ちなみに他の班は、大阪城公園や神戸のハーバーランドなどへ行きました。
今回の企画は「自分自身で考え、行動し、問題を解決していくために、友達同士で助け合い、自分たちで掲げた目標に向かうことでたくましさを身につけてほしい」という冒険の旅であることから、スタッフはほとんど指示を出さず、その場で子どもたちに計画させました。 大人から見れば大丈夫かなあ?と思うことでもひとまず実行させ、 その結果、失敗しても子どもたちが満足できる体験になってほしいという願いが込められています。 保護者の方からは、「普段、つい大人がやってしまうことでも、ここでは子どもに経験させてもらえる」との声が聞かれました。
岐阜遊び塾は、現代の子どもたちに欠けている自然体験や異年齢集団での生活体験・自発的活動を、遊びを通じて経験させるため、平成6年に発足しました。
電気パンや豆腐を作る活動から、落ち葉での焼き芋、県内の登山・合宿・スキーなど、多岐にわたる体験活動を行っています。
現在は小学生約30名で活動しています。
取材中、6年生が4年生に「電車酔いをしそうならすぐ言うんだよ」と声をかける場面が見られました。
上級生の気遣いを受けた下級生が、高学年になるとリーダーシップを発揮してくれるそうで、異年齢集団の活動の成果が現れていることを感じました。
スタッフは全員ボランティアで、岐阜遊び塾の元塾生や、ホームページを見て参加した教師を目指す大学生など、10代〜40代のスタッフが現在12名います。
今回初参加の人や、遊び塾創立時からの人もいました。
代表の早川さんは、「子どもの意思を尊重し、間違ったことでもとりあえずやらせてみる、考えさせるという理念をスタッフ間で共有している」と教えてくれました。
子どももそんなスタッフを信頼し、慕っている様子が伝わってきて、和やかな雰囲気の中、とても楽しい取材となりました。
これからも、活きた体験活動のできる貴重な場として、スタッフの方たちの協力により長く続けていってほしいと思います。
岐阜遊び塾
TEL:058-239-7090 携帯:090-8860-5317 担当:早川
E-mail:inecyan@k9.dion.ne.jp
URL:http://www.geocities.jp/asobijyuku/
岐阜市内を中心に、子どもたちに伝承遊びや工作、レクリエーションゲームなどを行っています。
年に数回、合宿や今回のような遠方での行事もあります。現在、ボランティアスタッフを女性若干名募集しています。
(2010年6月掲載)
ボラみ隊 岡野 真衣
学校の先生を目指して通信制の大学で勉強しています。
自転車で季節の移り変わりを感じながら、いろいろな場所を走るのが大好きな主婦です。