PROFILE
すみや あやこ
角谷 文子
元ボラみみより情報局職員
1980年愛知県生まれ。大学時代にJICA青年招へい事業のボランティアや京都YMCA国際ボランティアリーダー会の活動に参加し、国際交流、国際協力に興味をもつ。大学卒業後は、横浜にある多文化共生のNPOでボランティアスタッフとして活動。 今回、13ヶ国の同世代のメンバーと1ヶ月半の共同生活を通じてディスカッションや文化交流ができる世界青年の船プログラムに魅力を感じ、応募、参加した。
INFORMATION
■お問合せ先
世界青年の船に関して詳しく知りたい方は下記URLをご覧ください http://www.cao.go.jp/koryu/
ご意見ご感想をお待ちしております。ボラみみより情報局まで。
※参加国
バーレーン王国
ブラジル連邦共和国
オーストラリア連邦
チリ共和国
フィジー諸島共和国
メキシコ合衆国
ミクロネシア連邦
オマーン国
ソロモン諸島
スウェーデン王国
タンザニア連合共和国
バヌアツ共和国
日本
コースディスカッションの指導官(中央)と
オーストラリア参加青年(左)
とともに。
スウェーデンパーティーにて。 民族衣装に着替えてパチリ。
「世界青年の船」とは、内閣府が主催する青年国際交流事業の1つで、世界各国の青年が約40日間、船上で生活を共にしながら、ディスカッションや文化紹介を通じて国際交流、異文化理解を深める事業です。2011年1月21日からスタートした第23回「世界青年の船」事業では、日本を含め13カ国※、約270名が参加しました。
世界で1つだけの大きな家族
私たち第23回「世界青年の船」のテーマは「One Ship, One heart, One world」でした。 乗船前、「この事業はみんなで1つの家族になれるんだよ」と以前乗ったことのある友人に言われました。その時にはピンとこなかったのですが、参加して、その意味が深く理解できました。船室の廊下を5m、10m歩くと、いつも誰かがいて挨拶するのが日常でした。人恋しい時はサロンに行けば、いつも誰かがいて会話を楽しんだり、打ち合わせをしていました。特にグループやコースディスカッションが一緒だったメンバーとは、喜びや楽しさ、苦労をともに味わいました。様々なプログラムを経て、お互いのアイデンティティやナショナリティ、パーソナリティに触れる機会も多く、英語力というハードルはあったものの、共通点や相違点を発見することは日々の大きな楽しみでした。朝から晩まで一緒に過ごすうちに、自然と1つの大きな家族のような関係になっていました。
私たちが41日間乗った船「ふじ丸」
See you Facebook! (フェイスブックで会いましょう!)
別れのとき、私たちは「See you again!」と涙ながら声をかけあっていたのですが、ある外国参加青年が「See you Facebook!」というフレーズを口にしました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、Facebookは世界最大のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS 日本ではmixiが有名)で、全世界で約7億人が利用しています。また会おう!が、ネット上で会おうという意味だったのです。 実際、下船後はFacebook上で友達申請が毎日とびかう日々。地球の裏側にいても、17,000km以上離れていても、ネット上ですぐにつながる、そんな驚きの連続。それを最も強く実感したのが3月11日の東日本大震災のとき。世界中から日本 を心配し、励ましのメッセージが送られてきたのです。 東北在住の参加青年も被災し、最初の数日は安否が分からず、みんなで情報収集をし続けていました。幸い、全メンバーが無事だったのですが、それを瞬時に共有できるSNSのすごさを実感しました。
今後の夢
私は今回、世界13ヶ国の同世代の仲間と41日間の共同生活を経験したおかげで、新たな夢が2つできました。1つは、近い将来、この事業のファシリテーターとして再び船に乗ること。もう1つは、前回紹介したPYセミナーでも取り上げた「平和」について、名古屋や東京、大阪で参加型のセミナーを開催すること。私の現在の最終目標は「学びあいが当たり前の社会を創ること」。船での多くの学びと多くの仲間との出会いを活かし、この目標に向けて、一歩一歩前へ進んでいきたいと思います(終)。