PROFILE
こじま よしみ
小 島 祥 美
愛知淑徳大学専任講師
(コミュニティ・コラボレーションセンター)
埼玉県草加市生まれ。大阪大学大学院にて博士号取得(人間科学博士)。小学校教員を経て、阪神淡路大震災の被災外国人支援に関わり、98年に神戸市内で外国人支援のNPO団体を立ち上げ(事務局長)、コミュニティビジネスにも参画。03年、可児市教育委員会の初代外国人児童生徒コーディネーター。これまで外国人住民に関わる市民活動等に多数携わる。2007年4月より現職。小牧市多文化共生協議会委員(委員長)、NPO法人可児市国際交流協会理事・運営委員、NPO法人多文化共生リソースセンター東海理事など。専門は、多文化共生論、教育社会学。
最終回となった今号は、日常ボランティアに参加する人やボランティアを求める人と多く出会うなかで「感じていること」をお伝えします。
親愛なるみなさんへ・・・。
Dear.ボランティアに興味を持ったけど、あと一歩さん
学生から「ボランティア中に相手を怪我させてしまったらどうしようと思うと不安で一歩が踏み出せない」という相談があります。全国にある社会福祉協議会では、ボランティア自身が国内で活動中に怪我をした場合の「傷害保険」と、第三者の身体または財物に損害を与えて法律上の賠償責任を負った場合の「賠償責任保険」をセットにした「ボランティア保険」があります。少額で加入できる保険ですので(プラン等により異なりますが年間300円程度)、不安に思っている方へは加入をお勧めします。
私も学生時代に活動先の物品を落として壊してしまったことがありましたが、ボランティア保険で対応していただき、大変助かった経験があります。
Dear.ボランティア活動に参加している方
市民(ボランティア)の力で社会が変わる!と私は思っています。例えば、自殺対策基本法も、日本で初めての障がい者への差別をなくす条例(千葉県)も、市民の力によって制定されました。
ボランティアは楽しい!と感じることは大切です。もうワンステップとして、なぜあなたが参加する活動が地域社会で必要とされているか、その背景や社会が抱える課題を理解しながら活動を続けてほしいと願います。そうしたら、必然的に活動への参加が継続することでしょう。私自身も17年前の外国人児童との出会いから市民活動に参加し、現在も続けています。
Dear.ボランティアを募集する団体、NPO/NGOの各関係者さま
ボランティア活動を若者へ紹介する立場として、みなさんへお願いです。活動や団体の運営等で大変お忙しいとは思いますが、初めて参加するボランティアさんのみならず常にボランティアさんにかかわる方々へ、貴活動や貴団体が誕生した経緯やその理念など、ボランティアスピリットを是非伝えていただきたいです。
私もできる限り、これからかかわる若者へ精一杯伝えていきますので、一緒に次世代を担う若者を育てていきましょう。