教育支援活動に興味があった私は、不登校・ひきこもりの方をサポートしているNPO法人「ぱお」でボランティア体験をしました。 フリースクールという言葉は聞いたことがあっても、実際にどんな活動をしているのか、よく分からない。 「ちゃんと役に立てるかな…」取材前日まで、かなり緊張していました。 そしてボランティア当日、なかなか「ぱお」の建物を見つけられず焦っていた私を、代表の関さんが温かく迎えてくださいました。 部屋の中には、くつろいだ様子の子どもたちの姿。とてもアットホームな雰囲気で、子どもたちと話しているうちに少しずつ緊張がほぐれていきました。
まずは勉強の時間です。一人で問題集を解いたり、誰かに教えてもらったり、子どもによって学習の形は様々。 それぞれ自分のペースで学習を進めていますが、途中で嫌になって音を上げてしまうことも。 「面倒くさい〜」「面倒な事を一生懸命やるっていうのが大事なんだよ」そんなやり取りが聞こえてきます。 勉強の後は、おやつのスムージー作り。材料の買い出しから調理まで、常に子どもたちが中心になって動きます。 「これをみじん切りにしてください」「スプーンを出しておいてください」作り方を全く知らない私に、女の子が指示をしてくれます。 要領よくテキパキと働く頼もしい姿に驚きました。「勉強することの意味、学習する姿勢を学ぶこと」、「自分が主体となって、 人と協力しながら何かをすること」フリースクールだからこそできる、学びの形がある。 子どもたちの姿からそのことを教わりました。
この日の午後は、スポーツ活動をしました。車で少し行ったところにある体育館には、他の不登校・ひきこもりの方を支援するグループの方々や、そこに通う子どもたちも来ています。 グループの枠を超えて、皆でバドミントンをしました。「不登校・引きこもりの方に、自信をつけて元気になってもらいたい。 そのためには、多くの人と関わって、多くの出会いの場を持つことが大切だと思うんです。」と関さんは言います。 「ぱお」に来た当初、子どもたちとどう接したら良いのか分からず不安になっていた私。 そんなとき、いつも年下の子を気にかけて面倒を見ている女の子に「すごいなあ。お姉さんだね」と声をかけると、照れたように笑いかけてくれました。 その日初めて見せてくれた笑顔。「そうか、ちょっと人見知りするだけなんだ」それまで抱えていた不安が消えていき、なんだか元気をもらったような気がしました。 「不登校・ひきこもりの子は、特別な子ではないんです。」関さんのこの言葉が心に残っています。行き場を失ってしまった子どもや若者のもうひとつの"学び家"。 そこには子どもや若者の、特別ではない、活き活きとした笑顔との「出会い」がありました。
■ 【団体紹介】 特定非営利活動法人 ぱお
毎週月曜〜金曜9:00〜18:00
平日はフリースクール、土日は体験型のイベント(毎月1回程度)を行っています。
子どもたち、若者の心豊かな育ちをサポートします!
○【場所】 半田市勘内町1 市民参画支援センター
○【電話/FAX】:0569−26−5980
○【E-mail】:pao@npo-jp.net 【URL】:http://www.pao.npo-jp.net/index.html
■ 【体験・文】 ボラみ隊 金子 現場体験型研修として、ボラみみより情報局でインターンをした採用2年目の県職員。 普段は県立高校で事務の仕事をしています。