今までボランティア活動をしたことがない私。ボランティア募集を見ていて、興味を持った団体は宙児童ディサービスです。私には二人の子どもがいるので、子どもたちと一緒に遊ぶことならできるかもしれないと思い、宙に体験取材することに決めました。 13時に現地へ。まず、代表の加藤さんより子どもを呼ぶときは呼び捨てにしない、手をあげないとの注意事項を受けました。その後、管理者の野村さんから子どもたちの状態について説明を聞きました。宙に通ってくる児童は、自閉症の子どもが最も多いそうです。自閉症と一言でいっても症状は様々。「ほとんどの子は言語コミュニケーションが取れず、話かけても目が合わないけど、話は聞いてくれている。」、「トイレは時間を見て促してあげる。」、「悪いこと・いけないことをしていたら、注意して正しいほうに導いてあげないといけない。」など。そんな話を聞いて少し不安な気持ちになりましたが、その不安な気持ちは、子どもたちと遊ぶことによって和らいでいきました。 私が訪問した日は、総勢8人(小学2年生〜5年生)が宙に来ました。13時40分から、次々に子どもたちがやってきました。おやつの時間までは大きな紙に好きなように絵を描くこと(ぬりぬり)が今日のテーマです。ぬりぬりに没頭する子、ほかの遊びをする子、様々でした。完成したものが「写真2」です。初めて見る私に怯えてしまう子もいたけれど、その一方で近寄ってきてくれた子もいました。「おんぶ」と言って背中に抱きついてくる男の子、アンパンマンが大好きでアンパンマンの積み木を一緒にやろうと誘ってくれる子、絵に誘ってくれた子など。短い時間だったけど、みんなと過ごすことができて良かったです。
野村さんの「健常児があっという間に過ぎてしまう過程を、自閉症の子はじっくりと時間をかけて過ごします。だから、些細な『できるようになったこと』を発見することができるし、発見した時の喜びは大きなものなのです。」という言葉が胸に響きました。スタッフ全員が、子どもたちはとってもかわいいと笑顔でおっしゃっていました。
公園で遊んだり、友達の家に行ったりすることができない自閉症の子たちには、学校、家以外の場所がありません。その第3の場所になるのが宙であり、第3者とのかかわりを作ってあげることは、とても重要なことです。また大人の手が増えることで、取り組みの幅が広がり、様々な体験をさせてあげることができます。そのような理由で、ボランティアがたくさん来ていただけると嬉しいです、と野村さんが語っていました。
■団体紹介 【特定非営利活動法人 ほほえみ】 施設名:宙 児童ディサービス
宙(そら)児童ディサービス障害を抱えている子どものための学童。
毎週月曜日〜土曜日、14時〜18時まで幼稚園年少〜小学6年生までの子どもを預かっています。
■体験・文 【ボラみ隊 大西】
現場体験型研修として、ボラみみより情報局でインターンをした県職員。仕事や子育てと充実した日々を過ごしています。