本当に必要な援助を、本当に必要な人々へ。

−名古屋樟ライオンズクラブが掲げる新しい援助スタイル−


ライオンズクラブは、地域の名士が集い、もてる財力と知恵を「社会奉仕」に捧げる活動団体として知られる。
会員には概ね会社社長や社会的地位の高い職業につく人々が名を連ね、その独特なイメージから、一般庶民にとって、少し距離を感じてしまう団体ともいえよう。
ところが、そのイメージを払しょくさせるような活動を続けるクラブがある。
名古屋市中区に事務所を置く「名古屋樟ライオンズクラブ」だ。
NPO団体の援助をはじめ、子どもに夢を与える「サンタクロース慰問企画」など、これまでライオンズクラブが取り組んでこなかった領域に次々と参入し、新しい時代にふさわしい援助スタイルが注目を集めている。
その取組みについて、伊藤光男会長と深澤春男前幹事に話を聞いた。

援助対象は、公の援助のないNPO団体。 
 交通事故で脳に障害を負った人々がNPOプラザの1階に開いた喫茶コーナー「向日葵くらぶ」、重い障害を持つ養護学校の生徒達が集う人形劇サークル「紙風船」、ダウン症の障害者の生活を援助するグループ「たんぽぽ」等。
 上に挙げたのは、名古屋樟ライオンズクラブが、ここ数年の間に、資金援助を行ってきたNPO団体だ。いずれも、高い社会的ニーズがある一方で、公的援助が全く受けられず、自助努力のみで活動を続けているところが共通点といえる。
 こうして、地域を限定せず、無認可の団体に目を向けた援助を行うのは、愛知県内に100以上あるライオンズクラブの中でも、極めて異例だ。多くのライオンズクラブは、行政とのつながりのある機関やその取組みに対して、援助を行う傾向にある。
  「うちのクラブが対象にしているのは、どれも資金力の乏しい団体。彼らが、いずれ自力で運営できるようになるまでの、つなぎ的役割を担うのことが目的」と、伊藤会長。
 現在、名古屋樟ライオンズクラブへの援助の依頼は、100件以上に上る。事務所には、関連資料が山積みだ。だがもちろん、すべての事業に資金提供を行えるわえではない。折りからの経済不況で、クラブの会員も数年来漸減傾向にあり、クラブを支える資金も年々落ち込んでいる。伊藤会長は、言う。「台所事情が苦しいのは、何もNPO団体に限ったことではないんですよ。うちも同じ(笑)。でも、たからこそ、限られた資金を、より有効に、本当に必要な人々に、提供したいわけですよ。そこで、私たちが目を付けたのが、NPO団体、とりわけ他で公的援助を受けられない小さな団体なんです。」

チャリティゴルフ等によりNPO団体支援の資金が作られる
チャリティゴルフ等によりNPO団体支援の資金が作られる

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