2001年1月




ボランティアセンターを始動するための準備は
大変だったと思いますが。


「人・物・お金・情報」、これらをどれだけ早く充分に準備できるかが課題でした。人については、愛知県のボランティアコーディネーター養成講座を修了した約400人に電話で協力を依頼して、約100人を集め、各地域のボランティアセンターで立ち上げ準備に参加してもらいました。高知や栃木、広島など、過去の水害被災地で活動した全国の経験豊かな仲間もコーディネーターとして30人ほど駆けつけてくれ、リーダー的な役割を果たしてくれました。彼らのマンパワーがなかったらこれほどうまくいかなかったと思いますね。
次に物ですが、水がひいたらまず清掃作業にあたらなければならない。そのためにはたくさんの資材が必要です。畳は水を吸って400kgぐらいになっているから、それを引き上げるバールがいる。人糞、泥などを掃き出すデッキブラシがいる。ホースにスコップ、ゴミを搬出する一輪車もいる。ボランティアが効率よく仕事をするためには、活動する分だけの道具が必要なのです。今回は名古屋市青年会議所からの申し出により、そのほとんどの資機材を提供していただきました。
また、センターを運営していくためには、パソコン、コピー機といった事務機器やレンタカーなど必要なものはたくさんあって、お金がいるわけです。地元の企業をはじめ多くの一般の方々からも支援金を受けました。情報については、ボランティアセンターの存在を知ってもらうために、マスコミの協力を受けたり、チラシの各戸配布、広報車による宣伝、またホームページを作成し情報を流しました。

ボランティアは具体的に
どのような活動をしたのですか。


主に清掃部隊として活動しました。被災者から求められたニーズやボランティアが調査した各家屋の被災状況にもとづいて、作業内容を決定し、作業に必要な人員から清掃道具の種類や数まで細かく書いたシートを作成しました。そのシートにそって、集まってきたボランティアが振り分けられて、各家屋の清掃作業にあたりました。

センターが閉鎖するまでの15日間で、
関わったボランティアは約2万人。
センターの役割も高く評価されました。


今回、官民協働ということで運営したわけですが、たぶん民間の団体だけだったらここまでできなかったと思いますね。お金も拠点も信頼関係もないですから。それに県や市が関わっているということで、信用が早く、スムーズに運んだということもありますね。センターとしては、ボランティアと被災者のニーズを結び付ける機能ができたと思いますが、ただこの間被災者のためにやってきたことというのは、主に清掃だったわけです。私たちの得意分野であるはずの民間としてもっと独創的で小回りのきく、生活再建のための自立支援ができたのではという反省も感じているんです。
一般に、災害救援というと一時的なレスキューのイメージが強いと思いますが、実は、被災地、被災者が復興するまでの一連の長い作業なんです。水害の場合、水がひいてしまえば元どおりになったように見えますが、現実には、まだ部屋には畳が入っていない、壁ははがれたまま、寒い冬を過ごす人もいる。今なお絶望感ややり場のない怒りを感じ、生活の不安に悩む人たちもいる。まだ水害は終わっていないんです。
今困っていることは何か、それに対して何ができるのか、被災者の心の中に飛び込んで探っていきたい。もっと草の根的な息の長い支援が必要だと思うんです。11月には西枇杷島町に事務所を設立しました。誰でも気軽に立ち寄って、話をして、心の通う関係を築いていきたい。そのための拠点です。

今後どのように活動を展開していく予定ですか。


東海豪雨被災者支援プログラムをつくって活動を始めています。11月にはニコニコフェスティバルとして、バザー、ステージショー、リサイクル品即売、相談コーナーなどを開きました。また地域と一緒に取り組む「もちつき大会」や「クリスマス会」を実施したり、幼稚園、保育園に絵本を提供する活動も始めました。継続的な茶話会も実施する予定です。みなさんもいい企画があったらぜひ提案してください。一緒にやりましょう。


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