クローズアップNGO ペシャワール会名古屋 アフガニスタン難民を飢餓と紛争から救うために

 ペシャワール会は、2001年9月のアメリカテロ以降、アフガニスタン難民を救うべく食糧緊急配給活動を続け、本来の活動とは別の部分でその名が知られることとなった。

 風土に根付いた地道で長い活動の歴史を持つ同会は、1983年に中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成。パキスタン・アフガニスタンでの難民診療や孤立する山岳地帯の無医地区の医療、ハンセン病の治療を続けてきた。現在1病院と10診療所を設立し、年間20万人の患者診療を行っている。2000年からはアフガニスタンで今世紀最悪の干ばつが起きたため、井戸掘りなど水源確保に着手。約600カ所の水源確保作業を継続中だ。現地スタッフ約200名、日本人ワーカー5名がさまざまな現場で活動している。

 実際、切に援助を求める場所で食料配布や医療支援を行っているのは現地スタッフである。多くの外国の団体が空爆を恐れてアフガニスタンを去る中、代表の中村哲医師が日頃繰り返す「目の前にあることに対しやれる限りのことをするだけだ」という言葉にもあるように、今も現地で生活を支えている。

 現在のペシャワール会医療サービスの状況は、予測された悪性マラリアが一部で流行し、かなりの犠牲者が出ているという。食糧支援は、当面の餓死の危機はカブール市内では遠のいている。水源確保事業は、本格的な緑化計画が期待される箇所も出てきた。会の活動により、半ばあきらめかけていた状況が改善されている部分は非常に多い。今後の目標は、農村の自給自足態勢を確立すること、アフガン国内の飢餓避難民に集中することであるという。

 日本では約400人の会員が会を支えている。現地に出向いているのは中村哲医師をはじめ本部がある福岡のスタッフだが、名古屋では資金集め、中村哲医師の現地報告会、写真展など、独自の活動で支援を進めている。

2001年11月25日〜12月1日、
名古屋市内の東別院会館で開かれた 「ペシャワール会写真展」より。

現地の人の理解と協力で井戸を掘っていく様子
現地の人の理解と協力で井戸を掘っていく様子

手作りのコンクリート井戸からやっと水が出ました
手作りのコンクリート井戸からやっと水が出ました

I n f o m a t i o n
「アフガンいのちの基金」にご協力を!
〜緊急支援 新たな難民を作らないために〜
会では、巨大な難民キャンプと化した100万都市カブールで一人の餓死者も出さずにこの厳冬を乗り切り、平和な市民生活を送れるようにするために食料配布を行っています。1家族(10人)の1か月分の小麦粉・食用油代を2000円で支えることができます。

郵便振替口座 : 01790-7-6559
口座名義 : ペシャワール会
通信欄に「アフガンいのちの基金」宛とご明記ください。
●名古屋スタッフの八木巌さんのコメント
私達は、国連の保障が入らない部分にも目を向けていきたいと考えています。早くアフガニスタンが落ち着き、会のもともとの活動にも力を注げるようになることを望んでいます。
ペシャワール会名古屋 : 名古屋市中区大須4ー1ー11
TEL/FAX : 052-265-0731
URL : http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/


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