2005年 10月号 ■特集■                        HOMEへバックナンバーへ
ボラみ隊が行く!  
ボラ体験レポート編
    ボラみ隊とは・・・
 『ボラみみ』に掲載された団体に足を運んでボランティア活動を体験したり 、ボランティア活動をしている人たちと交流する、「ボランティアしてみたい」「見てみたい」という人たちの集まりです。
      今回は、ボランティア経験の豊富な2人のレポーターのボランティア体験談です。
        いろいろな活動に参加することで学ぶこともあれば、ひとつの活動を長く続けることで見えてくるものもある…。
        ボランティア活動をしながら自分を成長させ、そして仲間への感謝の気持ちを忘れない2人です。
豊かな自然の中で、キラリと光る思い出をつくる   大杉谷自然学校

子ども達といっしょに、感動!初体験

薄暗い林を抜け、ときには崖下に川を見つつ・・・三重県三瀬谷駅から村営バスで走ること約1時間、大杉谷自然学校に到 着です。今回私が参加したキャンプは、大杉谷自然学校スタッフ(以下「スタッフ」)3名、ボランティア3名、松阪市からの小学生22名を迎えて行われました。
 ボランティアは、子ども達の班に1人ずつ付きリーダーになるという役割でしたが、実は私も都会育ち。川遊びでは、ちょっと足を踏み入れただけで、めだかほどの魚がたくさん見つかるのにまず感動。さらに、魚を網ですくう子ども達の荷物持ちをしつつ、1人の子が見せてくれた大きな足の生えかけたおたまじゃくしに思わず「すご〜い」。夕ご飯は薪と釜で炊いたごはんと具沢山の豚汁に舌鼓を打ちました。そして夜のお楽しみ、ナイトハイクではムササビを探しに近くの大杉神社へ。「怖い〜」という子ども達と手を取りつつ、実は私も自分の足元すら見えない暗さがちょっと怖かった・・・。神社では姿を見られませんでしたが、その日のプログラムもほとんど終わり、スタッフが次の日の説明をしていたそのとき、何ともいえない奇妙な鳴き声が聞こえました。「あれが、ムササビの鳴き声です」とスタッフ。「ちらっと影が見えたよ」という子もいましたが、残念、私には見えなかった・・・。でも鳴き声が聞けただけでも大満足でした。

「楽しかった」だけを越える、心に残る思い出

次の日は間伐作業。地元の木を切る名人の指導のもと、あらかじめ名人が選んでくれた木をのこぎりで切り倒し、皮と木材になる部分との間に木のへらをさしこんで皮をむいていきます。「こんなに長いのができたよ」と1人の子は大人の身長より長い木の皮を見せてくれました。「生きている木の皮がこんなふうにむけるなんてびっくりじゃない?」というスタッフの言葉どおり、バリバリっと豪快に皮がむけていくのには私もびっくりでした。
  別れ際に名人が一言。「みんなが木を切ってくれたのは林にとって良いこと。その木は売り物にもなる。もしみんなが家を建てるときに木を使うことがあったら、その木はこうやっておじさん達が切って、製材して、届けているんだということを心に留めてもらえれば。」スタッフも別れ際に一言。「この宮川村では、薪でお風呂を沸かしている家もあります。そういう暮らしもあるんだな、ということを時々思い出してみてくださいね。」
 ボランティア活動としては、リーダーと言うにはあまりに頼りなく、「もっとこうすれば良かった」という反省点も多々ありました。「進行は私達でやるので楽しんでくださいね」というスタッフの言葉に甘えっぱなしとなってしまいましたが、その言葉どおり、子ども達と同じように驚いたり、楽しんだりできたのが一番です。スタッフや他のボランティアの方々には本当に感謝!のキャンプでした。
美味しくご飯炊けるかな〜。 間伐作業の皮むき風景
  美味しくご飯炊けるかな〜。   間伐作業の皮むき風景

体験・文     ボラみ隊  小川 明日香

ボラみみに関わり始めて1年半近く。
最初はどことなく緊張していた私ですが、この頃やっと、いろいろな活動に自然体で
関わることができるようになってきた気がします。



   [大杉谷自然学校]
      三重県多気郡宮川村久豆199 TEL:0598-78-8888 FAX:0598-78-8889 
平成13年設立のNPO。大杉谷地域を主なフィールドに三重県内で環境教育事業を行う。主なものに地域の暮らしや自然を体験する「孫さんキャンプ」などがあり、地域  特有の教育力を活かした自然体験プログラムを提供している。


国際子ども学校 子どもたちの笑顔に励まされ、あっという間の4年間  国際子ども学校
  
きっかけは『ボラみみ』から

私が、国際子ども学校(ELCC−Ecumenical Learning Center for Children)でボランティアを始めて、4年目の夏を迎えました。ELCCは、在名古屋のフィリピン人の子どもたちの学校です。幼稚園から小学生年齢の元気な子どもたちが、勉強しています。

『ボラみみ』で「フィリピン人の子どもたちの先生募集!」という記事を読み、見学に行ったその日に、子どもたちのパワーと人なつっこい笑顔を見て、すぐに「やろう!」と決めました。それ以来、私は毎週1回、小学生の理科と日本語を担当しています。フィリピンの教科書も参考にしながら、日本の小学校の教科書や問題集、絵本などを使って授業をしています。
「理科」っぽい授業を目指して

子どもたちの反応は、本当に素直です。楽しい、わからない、難しい、つまらない、本当に表情がくるくる変わります。読み書きが苦手な子や、難しい問題にチャレンジして答えを出せた子が、「先生、できたよ−!」と嬉しそうにプリントを持ってくる時の顔は、本当にキラキラしています。
 そして、どの子ども達も楽しみにしているのが、理科の実験です。スライム作り、べっこうあめ作り、ドライアイスを使った実験、磁石や電池の実験など、みんな大喜びです。学校といっても、教会を学校として使っているので、理科室はもちろん、実験道具も揃っていません。以前担当していたクラスで、初めてアルコールランプやビーカーを使ったときは、子どもたちは初めてみる実験道具に「うわっ!すごい理科っぽい!」と大はしゃぎでした。「この実験、おもしろいね」、「またやろうね」、「へぇ、こうなるのかぁ」そういう子どもたちの声がうれしくて、今までやってこられたんだと思います。
ある授業の1コマ 3人でヒソヒソ悪だくみ?!
ある授業の1コマ 3人でヒソヒソ悪だくみ?!
 
   続けてこその喜びと難しさ


  最初に担当したクラスのうち何人かは、今年4月から日本の中学校に通い始めました。しかし、ELCCでは日本の子どもが小学校で学ぶことを、完全に学習しているわけではありません。だから、ELCC卒業生への学習サポートは、これから先も続けていこうと思っています。それと同時に、今ELCCで学ぶ子どもたちに対しては、フィリピンに帰国する、あるいは日本の学校に進むことも視野に入れ、身につけるべきことはしっかり学ばせてあげたいと考えています。子どもたちと長く接するほど、かわいいという気持ちが大きくなるのと同じように、悩みも増えてきました。そんな時、ELCCの先生たちとの交流が、とても刺激になります。自分と同じようなことで悩んだり、迷ったりしている先生たちと話すうちに自分なりの解決策が見えてきたりもします。
  時々見せる子どもたちの精神的な逞しさを見習い、笑顔に元気をもらい、ボランティアを通じて出会ったいろいろな人に刺激されてここまで来ました。小さな悩みや苦労もありますが、何よりも自分自身が楽しいので、これからも自分のペースで子どもたちと成長していきたいと思います。
体験・文     ボラみ隊  佐原 恵津子

今年の夏、ELCCの子どもたちが参加するデイキャンプで、
ボラみみのSさんと出会い、ボラみみに関わり始めた。楽しいこと、人と接する
ことが大好きな新米主婦。



国際子ども学校]
       (ELCC−Ecumenical Learning Center for Children)

在日フィリピン人の子どもたちのための学校。これまでに通学してきた子どもは、のべ100名を超える。教員はフィリピン人講師2名と、元教員など日本人ボランティア多数。フィリピン語、英語、算数といった事業のほか、健康診断なども行っている。    
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