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◆特集◆

「ハイチを忘れないで・・・」―『ハイチの会』

  2010年1月12日16時53分に、マグニチュード7.0の大地震がハイチを襲いました。地震では、23万人もの死者を出し、100万人以上が家を失いました。 ハイチは、長年の不安定な政情、国民の78%が1日2ドル以下で生活するという貧しさを抱えた国です。そこに追い討ちをかけるように地震の被害が重なり、復興するには10年かかるとも言われています。
 この地震によって、多くの人々がハイチを知るきっかけになりました。当初、新聞やテレビでは連日ハイチの状況を報道し、多くの資金が国際社会から集められ、支援が行われました。
 しかし半年がたった今、人々の心からハイチが忘れられつつあります。ハイチの人々は、今も瓦礫の山のなかで、避難所生活、路上生活を送っています。 テントの雨漏りや体を洗うための水も不足しているため、被災者らは不衛生な生活環境におかれ、下痢、かぜ、皮膚病等が増加、過酷な生活を強いられています。 写真・現地の様子

  地震被害の復旧を行うとともに、ハイチの人々の生活支援も同時に行っていくことが重要です。地震後、ハイチの会(名古屋市)には約400万円(2010年6月現在)の地震被災者支援寄付が寄せられました。
「ハイチの会」は赤十字やユニセフのような大規模な支援は出来ませんが、今までの支援活動の実績を生かして、ハイチの人々と共に手から手への確実な被災者支援をしています。 被災地区ポルトプランス(ラプレン地区)には100万円を支援し3,356家族16,780人を対象に主にブルーシートの支援と子どもたちへの給食支援を行いました。 また被災地からエンシュ市に避難した被災者2万人の内300世帯には米1,200袋、トウモロコシ・豆・ピーナツ・砂糖等各600袋、スパゲティ1,500袋、ニシン2,400箱、油、石鹸等の支援を行いましたが、家族や家を失い両手足を切断する等の傷を負った人達の今後の生活の目処は立っていません。
「ハイチの会」は地震前から24年間「農業・教育」の自立支援をしていますが、この地震にもめげることなく支援を続けます。

写真・ハイチの子どもたち

  ハイチの会の代表、中野さんはこう話します。
「『ボラみみ』読者を始めご協力をして下さいました皆様に心からお礼を申し上げます。『ハイチを忘れないでください』 ハイチだけでなく途上国の人々を忘れないでください。食べる物も家も無く、教育を受ける事も出来ない人々が、私たちと同じこの地球上に大勢居るという事を忘れないで頂きたく思います」。
  今回の取材でハイチの人々にとって一時的でなく継続した、自立できるような支援が何より大切だと感じました。そして、私たちがどれだけ恵まれているかにも気づくことができました。 ハイチ、そして途上国の人々が私たちが当たり前だと思っている生活をすることに少しでも近づくように今回だけでなく、今後も私たちが途上国の人々の存在を忘れずに自分にできる支援を形にしていくことが世界の途上国の自立に繋がる一歩だと感じました。

◆Information◆
ハイチの会
名古屋市瑞穂区八勝通2-29-4
TEL:090-3259-0890 FAX:052-831-7724
E-mail:nakanonagoya@pop21.odn.ne.jp
郵便振替口座 00800-8-124996
代表:中野瑛子
ハイチの貧しい子どもたちのための初等教育や、マイクロクレジット、農園建設、飲料水供給などの住民支援を行っているNGO。 実際にハイチに農業などの専門指導員を派遣して「農業と教育」の支援を行い、農産物の収穫向上、自立した農業経営を目指す。2007年からは農園内に小学校を建設し、子どもたちに給食を提供している。

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