絵画展のあゆみ

名古屋市昭和区のYYYプラザの協力で、設立当時から開催している「世界子供絵画展」は、すでに17回を数える好評のイベントだ。毎回一ヶ国から絵画を集め、教科書、民族衣装、伝統玩具などと一緒に展示、多種多様な子ども文化を紹介してきた。

展示品は、各国の大使館や地元のNGO組織を通して集めている。最初は、50ヶ国近い駐日大使に、絵画展開催の企画書をせっせと送って、後援を求めた。最初に申し込みがあったクロアチアを皮きりに、その後は、大使館同士の口コミで噂が広がり、次々に開催がきまっていった。

事務局では、開催国大使のオープニングセレモニーから愛知県・名古屋市への表敬訪問、記者会見までセッティングする。さらに絵画展のビデオを製作して、終了後は報告書を作成して、大使館に渡している。「大使は自分達の国の宣伝が仕事。いい仕事をしていると自国にも報告できる。だからここまでやることでとても感謝されます。」と斉藤さん。そんな配慮が評判を呼び、回を重ねるごとに信頼を得て、17回の絵画展につながってきた。

大切なのは、必要なものを送る事

絵画展などで得た収益金は、世界の子ども達にいろいろな形でお返ししている。物資でも、お金でも、自分達の手で届けるのがポリシーだ。大切なのは、今、その地域で一番必要としているものを送る事。医療器具なのか、衣料なのか、それとも玩具なのか。国の状態によって必要な物資は異なる。

斉藤さんは、NGO活動による物資の支援には”ニーズを的確に捉える”というマーケティングがとても重要だと感じている。「たとえば衣料なら、子どもの数、男女の別、年齢、サイズをきちんと調べた上で、揃えて送る。そこまでやる必要があると思う。」と言う。

冒頭に触れた絵本の中に、子ども達が難民キャンプに送られてきた古着を燃やしている写真がある。とても着られないようなひどいものがたくさん送られてくるからだ。それはかえって子ども達の心を傷つけることになる。本当の支援とは、いらなくなったものを一方的におしつけることではない。

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