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的場君が、ボランティアに興味を持ちはじめたのは、中学2年生のとき。冬休み、学校の先生に誘われてホームレスの人に食事をふるまう炊き出しボランティアに参加した。
「それまでは、自分とは別世界の人たちだと思っていました。でも、色んな話を聞いて回って、その実態がわかったときに、彼らを少しだけ違う目で見えるようになりました。」
と同時に、的場君の心の中でくすぶっていた何かに火が点いた。トイバンクの2回目の輸送が終わったときには、「タイの学校に図書館を作ろう」という触れ込みのボランティアに両親の反対を押しきって参加した。
「現地の子どものキラキラした目に感動して、この国には日本が無くしたものがあるんだな、ってしみじみと思いました。それから、考えるようになりましたね。ボランティアっていうのは、なんなのかって。お金の援助だけじゃじゃなくて、人と人がつながっていける援助ってないのかなって。トイバンクの原点もそこにあるんですけどね。」
自分の中に芽生えた何かを共有したくて、ボランティアに友人を誘ったりもしたが、続かない人が多かった。「僕の場合、楽しいからやってるんです。人のためにという意識はないですね。自分が楽しくないと、続きませんよね。」
的場君の誘いによりボランティアの楽しみを知った友人もいる。トイバンクのメンバーでもある神野洋平君は言う。「学校の中だけにいると、世界が何も見えてこないんですよ。学校では、自分だけに一生懸命な人が多いし。的場君に、色々なとことろ連れていってもらって、今まで自分が全く知らなかった世界を見れたのが嬉しいです。」 |
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第一陣おもちゃの贈呈式(1999.5)
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現地のトイバンクにて(1999.5)
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