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インタビュー

ボランティアマインドを持つ企業市民をめざして

(株)東海理化ボランティアセンター
室長 渡辺一郎さん

渡辺一郎さんの写真 今年の1月27日、西春日井郡にある西枇杷島小学校は、東海豪雨の被災住民を励ますイベントの舞台として、 元気なバンド演奏、もちつきの掛け声、Jリーガーと触れ合う子供達の歓声に包まれました。1,500人の参加者を超えるイベントの裏方として奔走し、役場、地元ボランティア団体と一緒にこの舞台を作り上げていったのが、 株式会社東海理化のボランティアセンターです。
 社員のボランティア活動を支援するボランティアセンターを立ち上げ、地域に根ざした活動をすすめるセンター室長の渡辺さんに、 お話をうかがいました。企業そして社員は地域の一市民、そんな企業市民の姿が見えてきます。

『とにかく何でもやってみよう、がスタート。 地域とのパイプを太くして、信頼関係ができた。』

― ボランティアセンター設立当時のお話から聞かせてください。
 設立のきっかけは、会社の50周年記念事業です。 事業の一つとして、継続的に社会貢献活動に関わりたいという思いで始めたものです。99年に設立して3年目。スタート時点では中身が全くなくて、とりあえずボランティアセンターという名前の組織だけで、担当社員も二人。で、何をやろうかと。最初の3ヵ月は助走期間で、本社のある丹羽郡大口町、隣の江南市や工場のある各地区の社会福祉協議会、福祉施設などを回ってあいさつまわり。「東海理化です。こんな組織ができましたからよろしく。何かボランティアで手伝えることがあれば声をかけてください」と。でも最初は「何なんだ?」といぶかしがる顔をされましたね。
 そして、ボランティアのセミナーや講演会に出かけたり、他の企業の活動を聞いたり、社内アンケートを実施して、社員のボランティア活動への意識をリサーチするなど、方向性を探っていました。社会貢献先進企業はたくさんあって、私たちは後発組。だからよそのいいところはどんどん真似してやろう、そうしてるうちに東海理化らしさもできるだろうと。とにかく何でもやってみよう、と動き始めました。
 少しずつ社会福祉協議会から「こんなボランティアがあるからどうですか」と声がかかるようになって、最初はとにかく情報さえもらえればうれしかったですね。それを社員に伝えて、参加を呼びかけ、あちこちボランティアに出かけていくようになりました。

「エレクトリカバンド」のステージ 社内の音楽同好会のメンバーで結成した「エレクトリカバンド」。
町のおまつりや施設のイベントにと、ひっぱりだこの人気です。


― ボランティアセンターは情報センターとしての役割がひとつある
わけですが、社員にどのように情報を伝えるのですか。
 ボランティア登録をしている社員には、個別にEメールやチラシで、各部署にはEメールで定期的に情報を流しています。紙面では、当初はA4サイズのボランティアだよりを2ヵ月に一度発行して、各地区のボランティア活動やイベント情報を掲載していましたが、今は社内報の中にそのページを設けています。

「御桜の里」で桜まつりのお手伝い 大口町の特養老人ホーム「御桜乃里」で桜まつりのお手伝い。
お年寄りとのふれあいでなごやかな一時。

― 皆さんどんなボランティアをしていますか。
 地元の大口町でのボランティアが多いのですが、障害者スポーツ大会の運営・実行、福祉施設のイベントのお手伝い、車椅子のお年寄りとのショッピング、音楽バンドによる施設訪問、まちの清掃活動などさまざまです。この2年間で大口町とのパイプは太くなり、信頼関係ができてきたと思いますね。他に江南市、西枇杷島町、音羽町、豊川市と活動範囲を広げています。
 また会社ぐるみの活動としては、神戸の日本救援衣料センターを通して、海外の途上国の恵まれない人々に衣料品などを贈る海外救援衣料活動を続けています。

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