Boramimi Special / HOME
インタビュー

ボランティアマインドを持つ企業市民をめざして

『企業を地域で暮らす一人の人間としてみれば、困った時に手をさしのべられる人間でいたい。』

― 西枇杷島町では東海豪雨の被災住民を励ますイベントを企画、運営されました。西枇杷島町との交流のきっかけは何ですか。
 西枇杷島町は当社発祥の地で現在も工場があって、東海豪雨では冠水被害を受けました。本社で救援隊を編成して避難住民や被災社員に物資を届け、同時に地域支援として、道路に積み上げられたゴミの回収にあたるなど、復旧作業に協力しました。ボランティアセンターからも災害救援ボランティアを募集して、延べ40名近い社員が、なかには有給休暇をとって、食事の炊き出し、ゴミの回収、清掃などに汗を流しました。
 そして復旧作業が一段落した頃、大口町のボランティア団体が、西枇杷島町の小学校にパンジーの苗を植えようと企画していて、「東海理化さん、一緒にどうですか?」と声をかけてくれた。こちちが被災者だったので遠慮してたずねてみえたんですが、そのアイデアがうれしくて、社有バスを出して、参加者を呼びかけて、募金を集めて、西枇杷島町のボランティアにも声をかけて、一緒に花を植えました。そのあとで、別の大口町のフィールドワークをやっているグループが、作っているさつまいも畑の芋掘りに、西枇杷島町の親子を招待したときにも、バスでの送迎に協力したんです。

災害救援ボランティアとして 2000年9月
東海豪雨の西枇杷島町で。
災害救援ボランティアとして駆けつけ、復旧に向けて、家財道具やゴミの回収作業にあたりました。

― それまで地元で培ってきた関係がイベントで結集されたんですね。
 被災住民を励ますイベントは、私たちが企画したものですが、グループ企業、そして西枇杷島町・大口町の役場、社協、ボランティア団体と一緒に作り上げたものです。企業、行政、市民の協働としてのイベントができたという意味では大きかった。ふさわしくない言い方ですが、私たちにとっては東海豪雨がステップアップになった・・・。
 本社や工場のある地元で共生、協働していくというのが、これまで続けてきた中で、ひとつ見えてきたことだと思うんです。東海理化なら困った時に何かやってくれるなと信頼される存在になる。企業を地域で暮らす一人の人間としてみれば、地域に住む一人間として、頼まれたことをやれる、困った時に手をさしのべられる人間でいたいと思います。

イベントでの一コマ 2001年1月
“大好き西枇!!楽しむDAY” 西枇杷島町民を励ますイベントの一コマ。
子どもからお年寄りまで、時間を忘れて楽しむたくさんの笑顔に出会いました。

― センター室長として、これまでを振り返って感じること、また抱負が
あれば教えてください。
 ボランティアに無関心な人ももちろんいるけど、「捨てたもんじゃないな」というのは実感してます。ボランティアセンターをつくって、ああボランティアマインドを持った人はこんなにいるんだと思えた。普段はそうでもないのに、ボランティアとなると驚くほどいきいき光る人もいますからね(笑)。もっと多くの社員に「ボランティアって楽しいよ」と伝えたい。私はボランティアでの経験を会社や仕事にフィードバックしなくてもいいと思うんです。会社と家庭以外にも自分の居場所を見つけて、自分の存在感を味わってほしい。
 ボランティアに参加した社員が「楽しかったよ」と言ってくれるのが、一番うれしいですね。自分はすごくいい部署にいると思います。我々が動くことで社員も喜んでくれるし地域の人たちも喜ぶ。極端に言うと、何をやっても喜ばれるんです。そんな部署は他にはないですから(笑)。
 社員も地域の人も「なるほど東海理化だな」と納得できる東海理化らしさをこれからつくっていければいいですね。身近にあることから始めて、息の長い活動を続けていきたいというのはこれからも変わらない姿勢です。

株式会社 東海理化
愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地
TEL 0587ー95ー8192

Boramimi Special Back HOME