Boramimi Special / HOME

笑顔と生きがいを支えるもうひとつの家 コンビニハウス


「また行きたい」の声に励まされて

 台所のテーブルでお茶を飲みながら、お話をうかがっていると、玄関の方であいさつを交わす声が聞こえてきました。 利用者の人がやって来たようです。
 コンビニハウスは会員制。利用者は年間登録料、月会費のほか、外出、入浴など内容に応じて利用料金が必要です。 「補助金はゼロの事業だけど、あたりまえに生きる権利なんだから、最低料金でやりたい。これ以上会費は上げたくないから、 会員を増やすしかない。でも今はいっぱいいっぱい」と大川さん。現在、会員は66名、さらに18名が入会を待っているそうです。
 今から6年前、コンビニハウスがオープンして、会員登録の受付け開始日には、10時の開始時間を待つことなく電話が鳴り始め、 2時間受話器を置く間もなかったそうです。「待ってました!とばかりにたくさんの人がやって来た。大変でしたよ。 でも学生ボランティアがよくやってくれた。もっと障害のことを学ばなければ介助はできないから学習会を開いて欲しいと訴えてきて、 必死でしたね。しばらくして職員が入ったときは、職員がボランティアに習いながらやってたぐらい」と大川さん。 ボランティアの熱意が利用者にも伝わってか、「コンビニハウスに行きたい、今度いつ行けるの」という声は広がっていきました。 最近発行された会報の中に、利用者のこんな声がありました。「・・・お父さんに、グアムとコンビニハウスどっちに行きたい?と聞かれ、 『コンビニハウス!!』と答えると笑っていました。そんなにおかしいかな。・・・」

写真 「この切絵、まりさんがつくったんだよね。今日はこれからショッピングセンターにこの絵を入れる額を買いに出かけます。そうですよね」。介助ボランティアの寺境あさ美さんの問いかけに「うんうん」と大きくうなずきます。


ボランティアに学びの場を

 さて、この日もボランティアさんが何人か来ていました。大学2年生の寺境あさ美さんは、この4月から介助のボランティアをしています。 「最初はどうしていいのかわからなくて緊張しました。利用者さんによって食事介護のしかたも違うので利用者さんに教えてもらいながら やってます。初めは意思疎通がうまくいかなかったけど、だんだん言葉がなくても合図でどうしたいかわかるようになってきた。 それがすごくうれしい」と言います。1対1で向き合い、ひとり一人の生活のペースを知り、それに合せてじっくりゆっくり付き合って いきます。「ここで1日介助して、帰るときに、また来たいって思うんです。毎回、そう思うんです」とあさ美さん。
 大川さんは月に1回、ボランティアのための学びの場を設けています。日本福祉大学の教室を借りて、誰でも参加できる講座を開きます。 介助の学習、意見交換、講師を招いて講演会を開くこともあります。「ボランティアのおかげでコンビニが助かって終わり、じゃなくて、 ボランティア自身が何かを得られる場を提供していきたい」。

写真 「家よりも一生懸命掃除しますよー」と家事ボランティアの角田貴久美さん。


Boramimi Special NEXT>> HOME