街づくりは「川」から始まる。
「そんな無駄なことをして何になる。堀川を綺麗にするなんて、絶対に無理だ」。クリーン堀川の会長に就任したばかりの頃、小山さんのもとには、そんな内容の投書や電話が数多く寄せられた。その都度「できないことを可能にする道が必ずある」と、堀川再生にかける情熱をぶつけた。
画家、デザイナーの顔を持つ小山さんには、堀川に対する特別な思いがあったのだ。今から十年以上前、「世界デザイン博覧会」と、ともに行われた世界デザイン会議、3600人余におよぶ世界のデザイナーが集結した会場は、堀川が流れる白鳥会場だった。
「デザイン都市を掲げる街の川にしては、あまりにひどい」
会議のホスト役を務めた小山さんの耳に、よどんだ堀川を目にしたデザイナー達の漏らす言葉が突き刺さった。ショックを受けつつも、その出来事が小山さんを、いろいろな活動に駆り立てるきっかけとなった。熱田区の堀川まつり実行委員会の顧問を引き受け、隔年、デザイン会議の開かれる世界各国の都市を渡り歩き、街づくりの現場を視察。また、一昨年富山で開催された「全国運河サミット」では、九州の柳川をはじめ、川による街づくりの成功事例を目の当たりにしてきた。
「街づくりは、川から始まるんですね。サミットでは、『うちの川は、素晴らしい』って、どの都市も自慢大会でした。悔しかったですね。でも、今はだめですが、10年たったら名古屋に来てくださいって言っておきました(笑)」
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