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市民の教育力を学校へ。 子どもたちに夢を生み出すきっかけを 2001年からは、市民参加の教育づくりとして「市民講師ナビ」の活動もスタートした。実際に学校へ教えに行きたいという市民に講師として登録してもらい、学校からの要請に応じて、市民と学校とをコーディネートしていく取り組みだ。週休2日制や総合的学習の影響もあり、実際に学校側からも「市民に教育の場に参加してほしい」というニーズが増えてきた。例えば、「総合的学習で教える内容のヒントがほしい」、「授業の中で実社会の体験を話してほしい」などだ。学校側では講師役の市民を見つけることが難しいため、ASK-NETが市民講師の発掘からコーディネートまでをサポートしている。 「市民講師ナビ」には、現在 172名(210 講座)の講師が登録されている。大学生もいるが、大半は社会人だ。この市民講師の研修もASK-NETの大事な活動の1つである。「できるだけメッセージ性のある講師を派遣したい。そして子どもたちに生き方を考えるきっかけを与える実例をたくさん見せたい」と毛受さん。「『こんな会社をつくりたい』『あの職業につきたい』と、子どもたちにはいろいろな夢を抱いてほしい。そして夢に向かって、自発的に自分自身の『学び』を深めていってほしい」。そのためにも、子どもたちに様々な「素材」を与えてあげることが、地域の大人の役割だと考えている。閉塞状態に陥った学校に、多様な市民の参加を促すことによって、生徒は変化していく。ASK-NETが目指す「学びの場」としての学校も、その延長線上にある。 現在、市民講師の派遣先は、私立が30校。昨年から働きかけを始めた公立も10数校と順調に数を増やしている。小・中・高のうち、とくに中学・高校を中心に月に50〜60講座を行い、これまでに行った市民講座の数は500講座以上にのぼる。その種類は実に多様だが、趣味的な講座、生き方を学ぶ講座など、どれも本やテレビからではなく生の声を聞くことに、やはり大きな意味がある。「学生の反応は?」という質問に、「具体的な問題に触れることを喜んでいる。やはりこういうドキドキ体験が必要なんでしょう。偏差値のレベルに関係なく、どの学校でも生徒の感想文は躍動していて、きっと何かを感じたのだろうと思える」と、毛受さんは語る。 |
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