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昨年のサマーセミナーの様子
「先生」「生徒」の変化を感じ、今後の教育にますます期待する
 「人が足りない、アイデアやノウハウが足りないといった、現在多くの学校が抱える問題の解決の一助になれば」と、「市民講師」派遣事業の他にも、ASK-NETは県内5校の総合的学習を企画段階から支援している。「社会で求められている人材と、学校の教育の方向性にまだ大きなギャップがある。社会は『あなたはどうしたいのか』の意見が求められる能動的社会に変化しているのに、まだ受動的社会の発想で教育をしている」と、現在の日本の教育の問題点を分析し、キャリアデザイン教育の重要性を提案している。中でも、「以前は、正解がある問題を早く正確に解く能力を身につけることに力を入れてきた。しかし、実際の社会では、この能力も大事だが、問題を自ら見つけ、どれが正解かわからない問題を、グループで考えて解いていく能力がむしろ必要とされている。問題発見力、問題解決力、コミュニケーション力を伸ばす教育をもっと重要視すべきではないか。」と話す。
 「市民参加の教育づくり」といっても、まだまだ生徒にとっては与えられるもの。「もっと多くの生徒たちに、面白い市民の生きざまに触れてほしい」と、「Sチャン」というフリーペーパーの発行も昨年からスタートした。現在4万部を発行し、高校生を対象に配布されている。資金面の課題をクリアして、さらにこの輪を広げていきたいと話す。その一方で、「この数年間の活動を通して、教育の現場は着実に変化してきた」という毛受さん。「最近は学校批判、先生批判も強いものがある。しかし、どこの世界にも言えることだが、『先生』にもいろいろな人がいる。今の教育に問題意識をもって改革しようと努力している先生も数多くいて、『今のままでいいじゃないか』と言う先生と真っ向勝負している。そういった先生がもっと学校改革の主導権をもっていければよいと思う。現場で教育を変えていこうとしている人たちに、外部から支援できる仕組みをつくりたい」と話す。
 学校の数はまだ山ほどある。埋もれている市民の力を、より多くの子どもたちに広げていき、「学びの共同体」を作り上げていってほしい。7月には、今年で16回目となる愛知サマーセミナーも開かれる。もともとは私学によるイベントだったが、ASK-NETも実行委員会として10回目から関わってきた。昨年はのべ3万人以上が参加し、800講座が行われた愛知のサマーセミナーは、日本一の規模を誇る。「講座名が魅力的なものや、著名人による講座が人気だが、実際どんなに固いテーマの講座にも、学生は集まっている。そういう、新しい出会いを提供できることが本当に嬉しい」。これからの教育の行方に、まだまだ可能性を感じさせてくれる言葉だった。



特定非営利活動法人 愛知市民教育ネット
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代表の毛受さん

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