バイクの機動性を
   生かして被災地で活動
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−ライダーたちの社会貢献「バイクボランティア『Bi-Vo』」−
いつ起こってもおかしくないと言われている東海地震。この地方に住む我々にとって、先の新潟県中越地震は、決して他人事ではない。被災地へ駆けつけた多くのボランティアの活躍が報じられたが、バイクの機動性を生かしたボランティアの存在をご存知だろうか? 東海地方に拠点を置く「バイクボランティア『Bi-Vo』」の取り組みを紹介しよう。
趣味のバイクを生かした活動がしたい代表の石原さんのバイク。正面に貼ってあるのは「Bi‐Vo」のステッカー。
 代表の石原裕之さんは、阪神淡路大震災時や東海豪雨災害時にボランティアとして活躍した。阪神のときは名古屋に残り、情報収集・連絡・募金活動などの後方支援を、東海豪雨時には名古屋市南部のリーダーとして采配をふるった。
 そんな経験を持つ石原さんは、若い頃からの趣味のバイクを利用して何かできないかと考えていた。そんなとき、同じような思いを持つ3人と出会い、被災地にバイクで駆けつける「バイクボランティア『Bi-Vo』」を結成した。平成15年3月のことだ。
被災地での活動、ふだんは防災訓練に参加
 被災地では、道路がふさがれ車やトラックが動けなくなることが多々ある。そんななか、バイクでトラックを先導したり、物資を運んだりすることはとても有効で、阪神以来、注目されている活動だ。実際、消防や行政、自衛隊などからの要望も多い。自衛隊にもバイク隊は存在するが、各地に派遣するほどの数を保有していないそうだ。先の新潟県中越地震の際にも「Bi-Vo」から何名かのメンバーが駆けつけた(下コラム参照)。
 災害のないふだんの活動は、月1回のミーティングと行政などが実施する防災訓練への参加が主なもの。防災訓練では、被災地とされた場所を走り状況を把握し報告する練習や、支援物資を輸送するトラックの前を走り誘導をする。バイク活動以外にも被災地で使うボランティア活動資機材の搬出・搬入なども行う。
規制は一切なし、誰でも参加できる気安さがモットー
 「Bi-Vo」の組織形態は一般的なものとは少々異なっている。まず、代表はいるもののそれ以外の役員はいない。会費もなく、会のホームページにアクセスしメーリングリストに登録すれば誰でもすぐに会員になれる。だから、会の誰とも実際には会ったことがないメンバーも多い。被災地でのボランティアも防災訓練への参加も強制はない。そのときに行ける人だけが行けばいいという考えだ。活動についてあえてマニュアルを作らず、現場では臨機応変に、ニーズに合ったことを各人の判断でする。
 全国的にはバイクボランティアの組織はすでにいくつもあったし、東海地方にもあったが、「もっと自由に、自発的に活動ができる組織があってもいいのでは」と石原さんは感じ、「敷居を低くして、誰でも気軽に参加できるようにしたかった。外から見てもオープンな組織がいい」と言う。彼が「等身大のボランティア」と言うゆえんだ。

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