地域に密着した教室作り
「にし・にほんごの会」は、今から8年ほど前、地域に密着した教室作りを目指して誕生した。月4回日曜日に、鶴舞線の浄心駅から1分ほど歩いたところにある「名古屋市西生涯学習センター」で活動している。
学習者の国や数は、時によってさまざまだが、この日の学習者は5名。中国、フィリピン、セネガルなどの国から日本に来ている。土曜日も働いている人が多く、みんな貴重な日曜日を使って日本語を勉強している。
日本語を教えているのは13名のボランティア。長年日本語教育に携わっている人もいれば、未経験の人もいるが、みんな学習者たちの熱意に影響を受けている。
代表の土井さんは、「学習者が勉強を途中でやめてしまわないように、お互いの意思疎通を大事にするよう心掛けている。教室に来るのが楽しみになるような会にしたい」、「学習者が全く来ない時もあったが、日本語を学びたい人の受け皿として続けていきたい」と、この会に対する気持ちを語ってくれた。
日本に来て、言葉もわからず日常生活を送るということは、とても不安なことだと思う。学習者にとって、この会に参加するということ自体、最初は不安だったに違いないが、日本での生活のために真剣に日本語を学んでいる姿を見て、とても暖かい気持ちになった。
昨年10月に開催した料理教室では、手巻き寿司を作りました!
一人ひとりのレベルに合わせて
この会は、「学校形式にはせず、また、いつでも学習者の参加を受け入れる」という方針で運営しているため、学習者のレベルがそれぞれに異なる。この日参加していた5名の中には、50音や日付・時間などを勉強している人もいれば、すでに漢字の読み書きができる人も。日本語能力検定試験に合格した人もいたそうだ。
このように、学習者によって教える内容や進め方が違うため、それぞれのレベルに合った学習計画と、ボランティア間の次回への学習内容の引継ぎが重要となる。学習レベルとボランティアの数とのバランスも、いつも課題になる。
何かを「教える」というのは、相手によって理解度や解釈の仕方が異なるので、とても難しい作業である。特に、「言葉」は発音が重要で、単語一つひとつを繰り返し教えていかなければならない。それでも、教えたことが相手に伝わって身についたとき、お互いに喜びを感じることができるのだろうと、私は今回の体験で学んだ。
日付の読み方を勉強中。数字の読み方とちょっと違うから難しいな〜。(左)
レベルに合わせて学習内容が違います。(右)
体験・文
ボラみ隊 中村 夏代
昨年9月から12月まで、インターンとして10日間ボラみみより情報局にお世話になりました。
愛知県庁の職員です。あっという間の10日間でしたが、貴重な経験をすることができました。